2008年 08月 08日
利便性と人との触れ合い
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先日、桑沢デザイン研究所にて学生の作品の講評をさせて頂いた。
なかなか面白い作品に出会えるなど十二分に刺激を受けたが、「人との触れ合い」「ぬくもり」「助け合い」をテーマとするものが、多くみられたのが印象的だった。
確かに核家族化は進行し、プライバシーの確保が優先された住宅環境で、周りとのコミュニケーションは疎遠になるばかりだ。そしてデジタルツールとインターネットの普及は、利便性ばかりが取り出たされ、その利便性ゆえに「人との触れあい」「ぬくもり」「助け合い」が希薄になってきているのは事実だろう。
しかし、学生たちは本心からそれらを欲しているのだろうか?
メールが無機質だと感じるのであれば、手紙を送ればいい。隣近所との接点がないと感じるのであれば、声をかければいい。お互いに助け合いの精神がないと感じるのであれば、まず自分から声をかけてみればいい。こんな単純なことができないとするならば、たとえ何かしらソリューションがあったとしても使われないまま終わるのではないか。「プライバシーの確保と利便性も享受しながら、人との触れ合いも保てる」そんな都合のいいことをお手軽に考えたとしても、結局、利便性の前になすすべなく今までの生活に戻ってしまうだけにならないだろうか。
いやなにも「考えてはいけない」というつもりは全くない。本当に有効なソリューションというのは、徹底的に自分自身を追い込んだときに、ようやく生まれるのではないかと感じるのである。現実論として今の生活にどう織り込んでいくのか? エコロジーがさけばれている中、環境に悪いと思っていてもなかなか今の生活を崩すことができない状況にも似た、重く、でも解決すべき大きな課題なのだと思う。
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なかなか面白い作品に出会えるなど十二分に刺激を受けたが、「人との触れ合い」「ぬくもり」「助け合い」をテーマとするものが、多くみられたのが印象的だった。
確かに核家族化は進行し、プライバシーの確保が優先された住宅環境で、周りとのコミュニケーションは疎遠になるばかりだ。そしてデジタルツールとインターネットの普及は、利便性ばかりが取り出たされ、その利便性ゆえに「人との触れあい」「ぬくもり」「助け合い」が希薄になってきているのは事実だろう。
しかし、学生たちは本心からそれらを欲しているのだろうか?
メールが無機質だと感じるのであれば、手紙を送ればいい。隣近所との接点がないと感じるのであれば、声をかければいい。お互いに助け合いの精神がないと感じるのであれば、まず自分から声をかけてみればいい。こんな単純なことができないとするならば、たとえ何かしらソリューションがあったとしても使われないまま終わるのではないか。「プライバシーの確保と利便性も享受しながら、人との触れ合いも保てる」そんな都合のいいことをお手軽に考えたとしても、結局、利便性の前になすすべなく今までの生活に戻ってしまうだけにならないだろうか。
いやなにも「考えてはいけない」というつもりは全くない。本当に有効なソリューションというのは、徹底的に自分自身を追い込んだときに、ようやく生まれるのではないかと感じるのである。現実論として今の生活にどう織り込んでいくのか? エコロジーがさけばれている中、環境に悪いと思っていてもなかなか今の生活を崩すことができない状況にも似た、重く、でも解決すべき大きな課題なのだと思う。



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by isoamu
| 2008-08-08 20:09
| デザイン全般