2008年 07月 12日
デザイン機能の細分化
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「・・・・の立ち位置は?」
現在、私が担当しているグループについての問いかけだ。メーカーのデザイン部門において、ユーザビリティ、ユニバーサルデザイン、ヒューマン・センタード・デザインなどは横断的に関わるグループとして設置されているケースが多い。一方、横断ゆえ、それぞれのデザイン機能(プロダクト、インターフェースなど)と重複し、業務のすみわけに混乱をきたす場合もある。
以前は技術者が、設計からデザインまですべてを担っていた時代もあった。しかし製品・サービスの多機能化・高機能化に伴い、高い専門性と作業の分散が必要となり、デザイン機能は益々細分化の傾向にある。しかし、忘れてならないのは”顧客はひとり”だということだ。一つの製品の外観、インターフェース、グラフィック、操作性 すべてが一体となって、初めて高い満足感が得られる。デザイン機能の細分化の先には、これら各機能の統合化が大きな課題となってくる。
ここで、バウハウス創立時(1919年)のグロピウスの理念を紹介したい。
「完全な建築が視覚芸術の最終目標である。視覚芸術の高貴な機能はかつて建築を飾ることにあった。今日それらは分離した状態にあり ~中略~ 手工芸家と芸術家との間に傲慢な壁を築いている階級差別を配した、手工芸の新しいギルドを創ろう。われわれはともに建築と彫刻と絵画を統一にもたらし、いつの日か多くの労働者の手から天に向かって新しい信条の結晶した象徴のように立昇る、未来の新しい建築を構想し創造しようではないか。」
出典元:「造形教育運動と桑沢学園」 春日明夫・小林貴史 著
「グロピウスがバウハウスに求めたものは、ルネッサンスの巨匠たちが、画家であるとともに、彫刻家であり、デザイナーでもあったように近代の分業化した美術家ではない完全な造形芸術家といえるものであろうとしている。つまり、グロピウスは近代社会が分業化され、専門化されていくことに抵抗し、バウハウスの教育において様々な造形芸術の交流を図ろうとしていたのである。」
出典元:同上
私は入社以来、プロダクトデザイン、インターフェースデザイン、ユーザビリティ評価、ユニバーサルデザイン、ソリューションデザイン等々 様々な経験をしてきた。今まで担当した仕事を振り返ると、一つの製品のプロダクトデザイン、インターフェースデザイン、ユーザビリティ評価など複数の機能を自ら推進したものが最も楽しく、充足感があり、印象に残っている。そして、クライアントにもベストな提案を出来たと自信をもっていえる。
「・・・・の立ち位置は?」
本来、各デザイン機能に立ち位置なんかあってはいけないのだ。お互いが有機的に関わり、重複し推進してこそ、いい製品・サービスのデザインが実現できる。可能であれば、一人のデザイナーが全てを担ってもいい。 私は、そうした関わり方をしていきたい。
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現在、私が担当しているグループについての問いかけだ。メーカーのデザイン部門において、ユーザビリティ、ユニバーサルデザイン、ヒューマン・センタード・デザインなどは横断的に関わるグループとして設置されているケースが多い。一方、横断ゆえ、それぞれのデザイン機能(プロダクト、インターフェースなど)と重複し、業務のすみわけに混乱をきたす場合もある。
以前は技術者が、設計からデザインまですべてを担っていた時代もあった。しかし製品・サービスの多機能化・高機能化に伴い、高い専門性と作業の分散が必要となり、デザイン機能は益々細分化の傾向にある。しかし、忘れてならないのは”顧客はひとり”だということだ。一つの製品の外観、インターフェース、グラフィック、操作性 すべてが一体となって、初めて高い満足感が得られる。デザイン機能の細分化の先には、これら各機能の統合化が大きな課題となってくる。
ここで、バウハウス創立時(1919年)のグロピウスの理念を紹介したい。
「完全な建築が視覚芸術の最終目標である。視覚芸術の高貴な機能はかつて建築を飾ることにあった。今日それらは分離した状態にあり ~中略~ 手工芸家と芸術家との間に傲慢な壁を築いている階級差別を配した、手工芸の新しいギルドを創ろう。われわれはともに建築と彫刻と絵画を統一にもたらし、いつの日か多くの労働者の手から天に向かって新しい信条の結晶した象徴のように立昇る、未来の新しい建築を構想し創造しようではないか。」
出典元:「造形教育運動と桑沢学園」 春日明夫・小林貴史 著
「グロピウスがバウハウスに求めたものは、ルネッサンスの巨匠たちが、画家であるとともに、彫刻家であり、デザイナーでもあったように近代の分業化した美術家ではない完全な造形芸術家といえるものであろうとしている。つまり、グロピウスは近代社会が分業化され、専門化されていくことに抵抗し、バウハウスの教育において様々な造形芸術の交流を図ろうとしていたのである。」
出典元:同上
私は入社以来、プロダクトデザイン、インターフェースデザイン、ユーザビリティ評価、ユニバーサルデザイン、ソリューションデザイン等々 様々な経験をしてきた。今まで担当した仕事を振り返ると、一つの製品のプロダクトデザイン、インターフェースデザイン、ユーザビリティ評価など複数の機能を自ら推進したものが最も楽しく、充足感があり、印象に残っている。そして、クライアントにもベストな提案を出来たと自信をもっていえる。
「・・・・の立ち位置は?」
本来、各デザイン機能に立ち位置なんかあってはいけないのだ。お互いが有機的に関わり、重複し推進してこそ、いい製品・サービスのデザインが実現できる。可能であれば、一人のデザイナーが全てを担ってもいい。 私は、そうした関わり方をしていきたい。
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by isoamu
| 2008-07-12 11:23
| デザイン全般