セリフのない人形劇

『ファミリー劇場　はこ　BOXES　じいちゃんのオルゴール』
2008年6月28日～29日　 at シアタートラム

ろう者と聴者が分け隔てなく楽しめ、そして新しい”視覚表現”の可能性に着目した人形劇。先日、観にいきました。

「途切れのない人形の演技と、魅力的な視覚効果を通して表現される、不思議な旅路です。「はこ／BOX」は誰もが楽しめる人形劇ですが、それだけではなく総合芸術としての輝かしい成功例　～中略～　聴覚障がいをもつ演者は全体の中で見事に溶け込み、パフォーマンスは非常に緻密でした。観客からは聞こえる人と聞こえない人の区別はつかず、障がいはもはや問題になりません。」
出典元：「ファミリー劇場　はこ　BOXES　じいちゃんのオルゴール」パンフレット

「副産物として、いくつかの海外での公演も経験することが出来ました」
出典元：同上

セリフはありませんが、効果音は使われていました。ただその演奏者の動きを意図的に観客に見せるようにしていたように思います。また、音の視覚的表現も随所に見られました。オルゴールを鳴らしている時は、音符が踊ったり（上写真）、電話が鳴った時は、受話器が飛び跳ねたり、騒がしい時と静かな時を、照明の色味と発光頻度で表現していたり。

全般に人形とキャストの動きが非常に豊かで、さらには”人形の内面的な心情”までよく表現されていたように思います。視覚情報の可能性を感じさせてくれました。

人形劇といっても、シーンによっては人形を動かしているキャストが”演者”になったり、”背景”になったり、縦横無尽にその立場を変えていましたが、それがまた構成の面白さにもなっていましたね。ろう者、聴者、子供、大人、外国人など　幅広い方が一緒に楽しめる人形劇。　終わった後には、ほんのりとして爽やかな感覚が残りました。

”オルゴール”がこの人形劇のキーとなっているのですが、オルゴールの音って、脳の奥にある脳幹という部分を刺激して、自律神経を正常にする働きがあるんですね。オルゴールは森と同じ周波数をもっているようです。また医療機関の中には、これを利用した「オルゴール療法」を実施しているところもあるようです。（但し療法効果があるオルゴールは、７２弁以上のものに限られる）

今後の講演予定については以下を参照ください。
ろう者と聴者が共につくる
デフ・パペットシアター・ひとみ


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