近代のデザイン教育
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今さらとは思いながら、行ってみるとなかなかに楽しめた。会場は狭いが、豊富にコンテンツを揃えていてなかなか見ごたえがある。
今までもバウハウスのマイスターの作品はいろんな所で目にするが、本展示には、バウハウスで実際に学生に課していた課題が数多く展示されている。これが、私が学生時代に受けた課題に類似していて大変興味深かった。結局のところ、近代デザインの教育はここを起源としているのではないかと思う。
バウハウスでは、当時の先端技術を取り入れ、安価に質の良い製品を広く提供する事を目的にモノづくりがされていた。そのための教育だとすると、その思想が現代まで続くのはいささか無理を感じてしまう。設立当初の意義は既に色褪せ、現代のデザイン教育は、現代のニーズに沿ったものが必要であろう。極端な対比で恐縮だが、以前のエントリーで紹介したフンデルト・ヴァッサーなどは、こうした教育からは決して生まれないだろう。現代は複雑で、だからこそ様々な提言が必要のはず。とするならば、デザイン教育も様々なアプローチがあってよい。
今まさに、美術系大学、またそれ以外の大学機関で様々な取組みがなされているように思う。とはいえ、バウハウスのデザイン教育を知ることは、私達の近代デザインの起源を知ることにも繋がる意味深いものだろう。改めて自分達が進んできた道程を確認することから、今後どうすべきかという視点も得られるのだと思う。
【タイトル】 バウハウス・デッサウ展 BAUHAUS experience, dessau
【会 期】 2008年4月26日(土)~7月21日(祝・月) 月曜休館
(ただし7月21日(月)は開館)
【開館時間】 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
【会 場】 東京藝術大学大学美術館[東京・上野公園]
【観 覧 料】 一般 1,400円(1,200円)、高校・大学生 800円(700円)
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