フンデルト・ヴァッサー 人間の尊厳の回復 「平坦でない床」
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「公共の場における平坦ではなく活気がある床は、都市計画の水平化傾向によって奪われた、人間の尊厳の回復を意味する。重要な経験が、人間から取り上げられたのである。 ~中略~ しかし、まっすぐで平らは床は、人間にとって本当に危険であることに気づく。完全に水平で平坦な床は、人間が無能になるよう、「訓練する」。 すでに視力を失った目の見えない人の、足の触感までうばってはならない。」
出典:フンデルト・ヴァッサー 建築
確かに、この歪んだ床に対峙すると、どんな感覚が得られるのか、踏んでみて足の感触を楽しもうとする。そして平坦な床が退屈であることを知らされる。しかし、車椅子の友人のこと思い浮かべれば、当然、限度はあると意識させられる。
デンマークにあるコリング博物館では、車椅子の方に”敢えて平坦でない”ことを知らせている。(下写真:橋げたの中央を膨らませている) 階毎の橋げたの膨らませ方を変えて、階が変わったことを知らせるという”お遊び”をしている。

都内の歩道で、車椅子・乳母車・台車に配慮してか、歩道と車道との段差を無くした事例があるが、目の見えない方にとっては、不用意に車道に出てしまい危険であるという。
平坦であること、段差があること 改めて問い直してみたい。
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