2007年 10月 21日
なぜカードサイズをリリースしえたのか?
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以前のエントリー:サイズとデザイン

東芝のカードサイズ携帯が非常に新鮮に感じたことを述べたが、本エントリーでは、なぜ東芝がこのサイズを作りえたのかを考えてみたい。
まずは、今の携帯のサイズがどのように決定されているかを考えてみたい。
やはり液晶・有機ELなど表示デバイスが大きく影響していると考えるのが妥当だろう。表示デバイスは製品毎、カスタマイズされるものではなく、予めデバイスメーカーが用意したサイズから選択されるものであるが、これによって、一定のサイズ感に落とし込まれることになる。
予断だが、Appleは平気で自社オリジナル仕様の表示デバイスを搭載した製品をリリースするが、これは強力なブランド力を背景に、全世界統一仕様で圧倒的な販売数量を確保できるからで、これがまた彼らのデザイン力の源にもなっている。
そして、通信キャリア(DoCoMo、au、SoftBank)の通信費増大の思惑も絡んでくる。彼らはリッチなコンテンツを大画面で楽しませ、データダウンロード(=通信費)の増大に繋げたいはずだ。更に、コンテンツ開発費の削減のため、極力、表示仕様は単一化させたいところだろう。
これらを背景に、通信キャリアからは、一定の製品仕様での開発を各メーカーに強いているはず。この中には、先の述べたように「表示デバイス」が定義(大きさ含む)され、そしてこれが、携帯の大きさをも決定付けていると考える。
さて本題に戻り、東芝がなぜ”カードサイズ”を開発しえたのか。
これはau、秋冬モデル全8機種を俯瞰してみれば想定できる。

モニターの大きさ別に並べてみよう。
1)約3.0インチ WVGA (480×800ドット)
・三洋電機 W54SA
2)約2.8インチ WQVGA (240×400ドット) 有機EL
・東芝 W56T
・ソニー W54S
・日立製作所 Woooケータイ W53H
3)約2.7インチ WQVGA (240×400ドット)
・京セラ W53K
4)約2.6インチ QVGA (240×320ドット)
・東芝 A5529T
5)約2.4インチ QVGA (240×400ドット) カード携帯
・パンテック&キュリテル A1407PT
・東芝 W55T(カード型ケータイ)
東芝は、8機種の中 3機種を提供している。そして、東芝W55T(カード型ケータイ)は、8機種中 最も小さい表示デバイス(2.4インチ)を採用している。2.4インチは、auのWIN端末の中でも完全に少数派で、京セラ製とMEDIA SKINの2機種のみ。
auの中で多機種展開している東芝だからこそ、フルスペック機種を擁しながら、一方でデザインコンセプト優先の主流から外れたカードサイズ携帯をラインアップ化することが出来たと考ええられないだろうか。更に、それは外形サイズを最優先し、非主流の2.4インチを採用したからこそ実現出来たはずだ。
こう考えると、カード型デザインを生み出すためには、大きな戦略が必要だったのではと感じる。個々の製品デザインごと最適化を図ったのではなく、製品ラインナップ全体を踏まえた戦略の上に、このカード型が成り立っていると考えるのが妥当ではないだろうか。
それにしても、得てしてこうしたデザインコンセプト重視の製品が売れたりする。”画面が小さいから・・・”なんて考えるのは、開発者側の勝手な思惑で、ユーザーはさほど気にしていないものだ。私が勤める会社でも、ラインナップの中で、いい意味で力の抜けた(主流は抑えられてて、当たればめっけものといった思考)製品が大ヒットしたりする。
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東芝のカードサイズ携帯が非常に新鮮に感じたことを述べたが、本エントリーでは、なぜ東芝がこのサイズを作りえたのかを考えてみたい。
まずは、今の携帯のサイズがどのように決定されているかを考えてみたい。
やはり液晶・有機ELなど表示デバイスが大きく影響していると考えるのが妥当だろう。表示デバイスは製品毎、カスタマイズされるものではなく、予めデバイスメーカーが用意したサイズから選択されるものであるが、これによって、一定のサイズ感に落とし込まれることになる。
予断だが、Appleは平気で自社オリジナル仕様の表示デバイスを搭載した製品をリリースするが、これは強力なブランド力を背景に、全世界統一仕様で圧倒的な販売数量を確保できるからで、これがまた彼らのデザイン力の源にもなっている。
そして、通信キャリア(DoCoMo、au、SoftBank)の通信費増大の思惑も絡んでくる。彼らはリッチなコンテンツを大画面で楽しませ、データダウンロード(=通信費)の増大に繋げたいはずだ。更に、コンテンツ開発費の削減のため、極力、表示仕様は単一化させたいところだろう。
これらを背景に、通信キャリアからは、一定の製品仕様での開発を各メーカーに強いているはず。この中には、先の述べたように「表示デバイス」が定義(大きさ含む)され、そしてこれが、携帯の大きさをも決定付けていると考える。
さて本題に戻り、東芝がなぜ”カードサイズ”を開発しえたのか。
これはau、秋冬モデル全8機種を俯瞰してみれば想定できる。

モニターの大きさ別に並べてみよう。
1)約3.0インチ WVGA (480×800ドット)
・三洋電機 W54SA
2)約2.8インチ WQVGA (240×400ドット) 有機EL
・東芝 W56T
・ソニー W54S
・日立製作所 Woooケータイ W53H
3)約2.7インチ WQVGA (240×400ドット)
・京セラ W53K
4)約2.6インチ QVGA (240×320ドット)
・東芝 A5529T
5)約2.4インチ QVGA (240×400ドット) カード携帯
・パンテック&キュリテル A1407PT
・東芝 W55T(カード型ケータイ)
東芝は、8機種の中 3機種を提供している。そして、東芝W55T(カード型ケータイ)は、8機種中 最も小さい表示デバイス(2.4インチ)を採用している。2.4インチは、auのWIN端末の中でも完全に少数派で、京セラ製とMEDIA SKINの2機種のみ。
auの中で多機種展開している東芝だからこそ、フルスペック機種を擁しながら、一方でデザインコンセプト優先の主流から外れたカードサイズ携帯をラインアップ化することが出来たと考ええられないだろうか。更に、それは外形サイズを最優先し、非主流の2.4インチを採用したからこそ実現出来たはずだ。
こう考えると、カード型デザインを生み出すためには、大きな戦略が必要だったのではと感じる。個々の製品デザインごと最適化を図ったのではなく、製品ラインナップ全体を踏まえた戦略の上に、このカード型が成り立っていると考えるのが妥当ではないだろうか。
それにしても、得てしてこうしたデザインコンセプト重視の製品が売れたりする。”画面が小さいから・・・”なんて考えるのは、開発者側の勝手な思惑で、ユーザーはさほど気にしていないものだ。私が勤める会社でも、ラインナップの中で、いい意味で力の抜けた(主流は抑えられてて、当たればめっけものといった思考)製品が大ヒットしたりする。
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by isoamu
| 2007-10-21 17:06
| デザイン全般