0歳児とのコミュニケーション
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0歳からの手話
UDジャパン
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拙著でお世話になったN口さんが関わられた本 「0歳からの手話」
タイトルからすると単なる「0歳児向け手話教本」と感じてしまうが、実はなかなかに骨太の理念がある。
まず、0歳児の育児に奮闘する「お母さんのストレス」に着目している点
「10ヶ月ずっと一緒にいたのに、赤ちゃんの気持ちがわからない。お母さんも不安でいっぱい。「伝えたい」 ~中略~ 「わかりたい」 どうしてさっきは泣いていたの? どうしていまは笑っていたの?」 出典:0歳からの手話
そこで本書では、言葉を習得していない赤ちゃんとのコミュニケーションに「手話」を使ってはどうかとしている。体と表情を使った手話は、言葉より先に覚えることができるという。そして、手話を通じてコミュニケーションの楽しさを知ると、のちの言葉の習得も早くなるという。
アメリカでは「ベビーサイン」と称し、90年代より心理学者による研究が進んでいる。
「まだしゃべれない赤ちゃんと手話を使ってコミュニケーションをとるこの方法は、1990年頃アメリカの心理学者リンダ・アレクドロ博士とスーザン・グッドウィン博士によって研究が始められました。90年代の半ばころ、話し言葉の習得にも役立つという研究結果が出て以来、アメリカやイギリスでは保育所でベビーサインを取り入れるところが出てきたり、母親達の集まるサークルが出来たりベビーサインは新しい育児方法としてその地位を確立してきました。~中略~ でもなぜここまでベビーサインは支持されてきたのでしょう?それはなんといっても赤ちゃんと会話ができた時の「感動」です。」 出典:赤ちゃんとお手てで話そう!
そして、こうして親子で手話に慣れ親しめば、聴覚障がいを持つ方とのコミュニケーションのバリアを取り除き、ひいてはお互い助け合える共生社会に繋がるとしている。そして、これらを極めてやさしい文体で展開しているのがイイ。
そもそもこの本は、松森果林さんと息子さんが「手話」でコミュニケーションをされている様子をみたことがきっかけのようだ。松森さんは私も所属している共用品ネット、IAUDで一緒に活動しており、また拙著書評の雑誌掲載にも一役買って頂いた。おキレイな容姿もさることながら、なかなか切れのある視点もお持ちで、いつも感心させられている。
松森さんは筑摩書房HPで「カリンとソラの手話な日常」というエッセイを連載中。是非ご覧ください。
さて 「0歳からの手話」
ご友人、ご親戚など周りにお子さんが生まれる方 プレゼントにいかがですか?


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