デザイナーがすべきこと
|


友人が使っている車椅子など、最近はいいデザインの福祉機器が増えてきた。先日お会いしたGKダイナミクスのMさんがご担当された「ゲイトソリューションデザイン」という装具もいいデザインだと思う。
脳卒中などで半身が麻痺した場合の、足首を固定するための装具。医学的な見地もさることながら、ユーザーの生活に必要なこととは?という問いかけから、「装着したままで靴が履ける」、「サポートする部分の最小化」、そして外出する気にさせる「カラーバリエーション」を用意した。2006年度Gマーク、ドイツのレッドドットデザインを受賞している。
今までの装具(下図)と比べると、デザインの貢献が理解いただけると思う。逆に言えば、福祉機器はデザインがすべき領域が沢山残されているといえる。

こうしたものが増えてくれば、障がいを持つ方に対する意識も変わってくるのではないだろうか。
以下のブログでも同じような視点が語られている。
「障害者と健常者の境界がなくなるのは、「お前の新しい車いす格好いいな、俺もちょい乗せろよ」と自転車を借りるようなことばが健常者から出るときだろう。」
[TadaMuseum日記]
最終的には、こうゆうツールにまで昇華していくといい。
「子どもたちが僕の車椅子に乗って遊んでいるんですね。遊具的に使われているのを見たとき、車椅子の存在がこうやって身近になっていくのがノーマルな社会だと思ったんですね。」
[車椅子 『CARNA』 その2 川崎和男]
「障がいを持つ方に対する意識」
日本はネガティブな捉え方が多いのではないか?
障がいを持つ方の壮絶な苦労、納得の出来ない差別を考えると、部外者の表面的な議論だと感じられるかもしれないが、本当の「共生社会」を考える上では、「サポートされる側、する側」といった一方通行の関わり方から脱しないと建設的な議論に進まないのではないか。
そのためにデザイナーがすべきこと
福祉機器に、サポートするという機能価値に加え、「使ってみたい」「かっこいい」という感性価値を加えること。それらを通じて、「障がいを持つ方に対する意識」と「障がいを持つ方自身の意識」を変えること。そして、その先に「共生社会」の兆しが見えてこないだろうか。


応援のクリックを!