デンマークで障がいのある方と学ぶ
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高校大学とも違う「国民高等学校(フォルケホイスコーレン)」と呼ばれるデンマーク独特の教育機関の一つ。入学資格は年齢制限(17.5歳以上)のみで、試験などはない。資格を得るためではなく、自己形成を主たる目的におき、自由と対話による相互作用を重視した教育プログラムが組まれている。世界各国から学生を受け入れており、特に日本には、卒業生による入学支援活動が展開されており、毎年、数人の日本人が留学していると聞く。
卒業生と話す機会があったのだが 「エグモンドホイスコーレンで学んだことは?」の問いに対し、「デンマークのスピリット」という答えが返ってきた。
彼はエグモンドの留学期間中の数ヶ月を「カヌー作り」に費やしたという。何をやるかは、本人の意思次第。一般的なカリキュラムはあるが、それ自体を否定してもいい。何のための学校であるかは、自分自身が定義すればいい。周りからは「なぜカヌー作り?」と揶揄する声もあったようだが、それに自分自身が意味を感じれば、最後までやりぬく事に意味があるという。「自分の意思を貫くこと」 それが「デンマークのスピリット」
また別の卒業生は、「自立する意思の尊重と責任」と言っていた。
「てんかん」を患っていたデンマーク人の話。 彼は、夜中に発作を起こす可能性があるため、毎夜介助者に看てもらっていた。しかし「自立したい。介助者なしで、自分ひとりで過ごしたい」と考え、心配する周りを説得し、介助者なしで夜を過ごしたという。そして、彼は発作を起こし、朝、亡くなられた姿で見つかったという。
日本ならば大変な社会問題になりそうものだが、「自立しようとする意思を尊重すること、そしてその意思には自己責任が伴うということ」が定着しているデンマークだからこその話なのだろう。
さて、エグモンドホイスコーレンの「障がいのある方との生活」は、他の国民高等学校と異なる大きな特徴。
やはり福祉関係の方の留学が多いようだが、デザイナー、建築家なども留学するケースがあるという。障がいのある方との生活は、日々いろんな気づきがあると思う。そして、福祉先進国と呼ばれるデンマークの先駆的事例を知ることは、十二分に刺激されることだろう。
以前のエントリー 「ユーザーといかに対話するか」では、障がいのある方との対話の事例をいくつか紹介したが、これも一つのアプローチだといえないか。
そうそう実はこれを伝えるのが目的だった。 現在「日本人ヘルパー」を募集しているようだ。今、エグモンドに留学している障がいのある日本人女性のためのヘルパー。
彼女は今年1月から半年の予定だったが、「自立」についての学びを深めたいとのことから8月から更に半年の留学を希望し、助成金申請など準備をしている。現在お願いしている二人のヘルパーは、帰国してしまうため8月からの新日本人ヘルパーを日本で探しているそうだ。
興味ある方は是非 詳しくはコチラ
日本人向け短期のコースもあるそうですね。


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