モノ作りはどこへ
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先日お会いしたIDEO出身 H先生とのお話。
IDEOのメンバー構成が大きく変化しているという。元々はプロダクトデザインが主たる事業だったが、経営コンサルに大きくシフトしているとのこと。
ただプロダクトデザインをしなくなっているわけではない。IDEOは北米を中心にロンドン、そして上海などにオフィスがあるが、北米のオフィスは経営コンサル、そしてプロダクトデザインは上海に移管しているようだ。確かに世界の製造の中心が中国であることを考えると、その場にプロダクトデザインを置くのは理にかなっている。
それにしても、IDEOが経営コンサル?
CNET-Japanに掲載されているIDEOのトム・ケリーのインタビューから、関連する内容を紹介する。
「依頼が「システムを変えたい」とか「組織を変えたい」といったものの場合は、トランスフォーメーションと呼ばれる専門の部署が担当します。~中略~ 例えば、有名な総合コンサルティング会社のMcKinsey & Companyは、教科書で学ぶような一般論を個別の案件に当てはめていくというスタイルをとっています。しかしIDEOは、McKinseyとはちょうど反対の視点から、自分たちの知恵を引きだすというやり方をしています。つまり、個別の案件で得たノウハウを理論化していくという方式です。そもそも、1つ1つのクライアントが必要とする商品に、一般的な例などありませんからね 」
ここからは、具体的にどう対応しているのかイメージしきれないが、おそらく彼らのMethodsをベースに「分析」より 「どう発想し何をするか?」に重点が置かれたプログラムなのだろう。プロダクトデザインを主たる事業としてきた面目躍如といったところか。
そもそもデザインは、コンサルティングであるともいえる。
いや、そうでなければならないと思っている。クライアントが抱える課題を理解し、具体的に目に見えるソリューションを提供する。通常のコンサルテーションは、クライアントに気づきを与える程度だが、デザインは最終アウトプットまで持ち込まなければならない。デザインのプロセスはそもそもコンサルたる要素を含んでいる。
クライアントの要望は、まさしく「一般的な例などありません(トムケリー)」。
であるならば、自分自身も従来経験してきたデザインスキルに拘ることなく、臨機応変に様々なアウトプットを提供していきたい。
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