他のプレゼンテーション手法事例 3-1

プレゼンテーションに関するノウハウを語った書籍も多数あります。
その中から私が印象に残った事を幾つか紹介していきます。

「分かりやすい説明の技術」　藤沢晃治著

１）最初に「理解の枠組み」を説明する。

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　『あらゆる説明術で「まず概要　それから詳細」または
　　「まず結論　それから理由」とされるわけはここにあります』
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　これはビジネスの現場において、プレゼンテーションに限らず
　報告書、メールなどあらゆるシーンにおいて求められる基本的
　な要素ではないでしょうか。


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　説明の冒頭で概要を話す事がいかに大切かを実感していただくため
　例文を挙げます。「低インシュリンダイエット」に関する説明です。

「食後、血糖値が急激に上昇すると植物の栄養素は体内に脂肪として
　蓄えられます。消化吸収の遅い食品（GI値の低い食品と言います）
　は血糖値を急上昇させないので脂肪として蓄えられません。低イン
　シュリンダイエットではGI値の低い食品を選んで食べるだけで、体
　重を落とす事ができます。例えばうどんよりそば、普通の食パンよ
　り全粒粉のパン、白米よりパスタなどがGI値の低い食品です。日常
　生活でこういう食品を意識して食べる事で空腹感に苦しまずにダイ
　エット出来ます」

　低インシュリンダイエットとは何かを全く知らない人がこれを読ん
　だとしたら、楽に理解出来るでしょうか？　

　では次に、冒頭で要点を説明したらどうなるでしょうか。

「低インシュリンダイエットは、美味しい物を食べながらダイエッ
　ト出来る画期的な方法です。従来の常識であったカロリー値では
　なく、食品の消化吸収の早さを表すGI値に注目して食品を選びま
　す。GI値の低い食品を選んで食べるだけで、総カロリーを減らさ
　ずに、体重を落とす事が出来ます。たとえば、うどんよりそば、
　普通の食パンより全粒粉のパン、白米よりパスタなどを意識して
　食べる事で空腹感に苦しまずにダイエット出来ます」

　二つを比べてみてどう感じましたか？
　もちろん、前者の説明でも理解する事は出来ます。しかし後者の
　説明では、低インシュリンダイエットの特徴が冒頭で説明されて
　いて、後に続く説明の相互の関連性、全体の中での位置づけが
　明確になり、更に分かりやすくなったはずです。
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　実は、これは健常者のみならず障がい者に対しても、意識すべき
　大切な要素であります。

　特に、「視覚」障がいの方のように「口頭による音声情報」しか
　ない場合、話の「概要」が冒頭で提供させる事は大きな安心感に
　繋がるそうです。
　
　健常者のように「視覚」「聴覚」両方の情報を得られる場合「聴
　覚」で得られない情報は「視覚」で補えばいい訳ですが、こうし
　た補完が障がい者には出来ない事を、プレゼンテーターは意識す
　べきでしょう。