2007年 01月 28日
インハウスデザイナーの醍醐味
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「ニッポンのデザイナー展」に向けて 新年デザインプロデューサーの鼎談 桐山登士樹×関 康子×西山浩平
インハウスデザイナーの環境、これからの課題など、的確に指摘されていて興味深い。
「デザイナーが技術開発者と共にラボ化してくることが考えられます。日本は高性能な製品を作り出すことで国力が上がっていく方向にあるので、どうしても開発に力をいれなくてはならない。デザイナーだけでできる仕事ではないから、協同が必要」 桐山氏コメント抜粋
よく状況を把握されていると思う。
昨年のCEATECのコンファレンスでも議論されていたが、特に「要素開発段階」において、この傾向は益々強くなってくると思う。「要素開発段階」において、デザイナーは主に「可視化(技術を使った商品、サービスのイメージ図、アイデア展開など)」を担う事になるが、その為には、技術の理解、研究者が抱えている課題など 正確に理解する必要がある。なかなか外注デザイナーに任せられる仕事ではない。
この状況踏まえ、インハウスデザイナーに求められるスキルとは。。。
「デザイナーとしてプロジェクトに参画するスキルがより強く求められている。課題としては、ひとつの分野に長けているよりも、多様な組み合わせに対して柔軟に対応できるようなしなやかさが必用」 桐山氏コメント抜粋
これも、まさしく現場で私が感じているコト
プロジェクト毎、求められるコトが変わってくるので、それ毎、デザイナーを変えるのは面倒。一人のデザイナーが状況に合わせ、対応するのが理想。
一方で
「逆に、ライン生産のプロダクトは、システム化されれば今よりもインハウスデザイナーが必要なくなってくると思うんです。日本の大手メーカーが生産の多くを海外で行っている現在、日本のドメスティックな中でデザインしてすべてを作り上げる状況がなくなりつつある」 桐山氏コメント抜粋
これもなかなか耳の痛い話で、要素開発段階において、インハウスデザイナーは益々活躍出来るが、本来、デザイナーの大きなモチベーションである「商品化」が、外部に持ってかれる。
研究部門においても、コーポレートラボ(数年先の要素開発)、ディビジョナルラボ(1〜2年後の商品化開発)のように、ターゲット毎 分かれている様に、社内におけるデザインも細分化していくのは、時代の趨勢ではある。
しかし、私は、この鼎談で指摘されていない次のステップを見越して活動していきたい。
細分化されると同時に、今度は、それらを繋ぐ役割が必要になってくるはず。
「数年先の要素開発から関わり、最終の商品化までフォローする」
これこそインハウスデザイナーの醍醐味ではないか。
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by isoamu
| 2007-01-28 13:34
| デザイン全般