2007年 01月 04日
歩み寄り
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ある「理学療法士(女性)」から伺ったお話。
彼女は仕事柄様々な特性の方と接する機会があるが、『足でマウスを使い、一日中パソコンに向かっている方』(どんな特性の方かは失念)について
その方は、頻繁に介助をリクエストするそうだが、そこで彼女は「一日中、パソコンの前にいないで、少しは体を動かしたらどうか?」というそうだ。症状が少しでも改善する可能性がある方に対しては、全て介助者に頼るのではなく、自分自身で自立する意識を持ちなさい という事らしい。(彼女は、こんなことを言うのは私だけと笑っていたが)
昨年4月の診療報酬の大幅削減に伴い、少ない費用の中で従来同等の介助を提供するのは困難になってきているようだ。障がい者自身も、介助への負担を考慮し、自立可能なことは自分で行い、介助者と共同してより質の高い生活を獲得する意識を持って欲しいという気持ちからだ。
私の知り合いの障がい者は、非常にアクティブで、自立の意識も高く、殆ど自分自身で全てやってしまう方ばかりだが、たまに介助に依存しすぎの意識を持った方がいらっしゃる。
少し乱暴な論理だが、こうした「依存の意識」はあらゆる場面で影響しているような気がする。
商品開発においても、ユーザーである障がいの方からのニーズにきちんと応えるべきであるが、もう少し歩み寄ったプロセスが出来ないか?
上の写真は「日本の点字ブロック」
目の見えない方、視力の弱い方のニーズを受けて開発されたもの。目の見えない方の長年の努力で勝ち取った大切なインフラだと思うが、一方で、片方麻痺の方、ヒールを履いた女性にとってはつまずくなどの課題もある。
上の写真はデンマーク コペンハーゲン駅に敷き詰められている点字ブロック。
一見、点字ブロックの存在は分からないが、凸模様のブロックと凹模様のブロックを組み合わせて「景観への配慮」と「触覚情報の確保」の両立を図っている。一方で、凸が微妙すぎる、視力の弱い方にとっては有用ではないなどの意見がある。
どちらが正解だとはいえない。しかし、このデンマークの事例は、我々に対してまだまだやるべき事があるのでは?と感じさせてくれる。
開発者、当事者 それぞれが、他者に依存しすぎるのではなく、自分の主義主張をするだけでなく、お互い歩み寄り、あらゆる状況、課題を想定し、「こうあるべき姿」を共有して進めるプロセスが必要ではないか。
全ての人のニーズを満たすのは不可能だろう。どこかでバランスをとるしかない。最適なバランスは、それぞれが主張するだけで得られるものではない。
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彼女は仕事柄様々な特性の方と接する機会があるが、『足でマウスを使い、一日中パソコンに向かっている方』(どんな特性の方かは失念)について
その方は、頻繁に介助をリクエストするそうだが、そこで彼女は「一日中、パソコンの前にいないで、少しは体を動かしたらどうか?」というそうだ。症状が少しでも改善する可能性がある方に対しては、全て介助者に頼るのではなく、自分自身で自立する意識を持ちなさい という事らしい。(彼女は、こんなことを言うのは私だけと笑っていたが)
昨年4月の診療報酬の大幅削減に伴い、少ない費用の中で従来同等の介助を提供するのは困難になってきているようだ。障がい者自身も、介助への負担を考慮し、自立可能なことは自分で行い、介助者と共同してより質の高い生活を獲得する意識を持って欲しいという気持ちからだ。
私の知り合いの障がい者は、非常にアクティブで、自立の意識も高く、殆ど自分自身で全てやってしまう方ばかりだが、たまに介助に依存しすぎの意識を持った方がいらっしゃる。
少し乱暴な論理だが、こうした「依存の意識」はあらゆる場面で影響しているような気がする。
商品開発においても、ユーザーである障がいの方からのニーズにきちんと応えるべきであるが、もう少し歩み寄ったプロセスが出来ないか?
上の写真は「日本の点字ブロック」
目の見えない方、視力の弱い方のニーズを受けて開発されたもの。目の見えない方の長年の努力で勝ち取った大切なインフラだと思うが、一方で、片方麻痺の方、ヒールを履いた女性にとってはつまずくなどの課題もある。
上の写真はデンマーク コペンハーゲン駅に敷き詰められている点字ブロック。
一見、点字ブロックの存在は分からないが、凸模様のブロックと凹模様のブロックを組み合わせて「景観への配慮」と「触覚情報の確保」の両立を図っている。一方で、凸が微妙すぎる、視力の弱い方にとっては有用ではないなどの意見がある。
どちらが正解だとはいえない。しかし、このデンマークの事例は、我々に対してまだまだやるべき事があるのでは?と感じさせてくれる。
開発者、当事者 それぞれが、他者に依存しすぎるのではなく、自分の主義主張をするだけでなく、お互い歩み寄り、あらゆる状況、課題を想定し、「こうあるべき姿」を共有して進めるプロセスが必要ではないか。
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by isoamu
| 2007-01-04 18:17
| ユニバーサルデザイン