ハードからサポートへ
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財団法人 共用品推進機構
設立趣旨 「障害者や高齢者をはじめ、生活に不便さがある人にも利用しやすいように配慮された共用品・共用サービスの開発と普及によるバリアフリー社会の実現」
私は、 この財団の「個人賛助会員の会 共用品ネット」に個人会員として参加しているが、先日、一年間の活動報告会が開催されたのでご紹介したい。
基本的に活動は休日のみ。ボランティアで全てが運営されている。グループ毎、テーマを分けて活動している。
特定のシーン(交通機関の乗り降り)、特定の場所(ミュージアム)、特定のツール(クレジットカード)における問題点の洗い出しをしているグループ。障がいの方に配慮した製品事例の収集をしているグループ。そして、障がいの方への配慮の仕方をWebで公開しているグループなど多種多様なテーマでそれぞれ活動している。中には、通産省から助成金を得て、ISO(国際標準化機構)に標準化への働きかけをしているものもある。
当日は、設立メンバーである鴨志田厚子さんもいらっしゃった。
鴨志田さんは、会の最後にこうコメントされた。
「調査はいいが、クリエーションが足りないのでは?」
鴨志田さんがイメージされている「クリエーション」が何なのかは知る由もないが、プロダクトデザイナーであることからすると、おそらく具体的なモノをイメージされているのだろう。
活動のスタートは1991年(当時はE&C) 活動の柱を「(1)課題発見」「(2)製品・サービスへの配慮点の検討と標準化の検討」「(3)普及・啓発」としていた。当時からすると先駆的な活動であったと思う。具体的な商品事例も多く、また標準化もいろんな領域で実現している。各種書籍も発行している。
当時とは、多少、状況が変わってきているのかもしれない。
ユニバーサルデザインが持て囃され、メーカー主導で様々な配慮がされるようになってきた。ボランティア活動ではなかなか新鮮な提言がしにくい状況になりつつあるように思う。
ただ、新しい展開も見えてきている。
ハードではなく、ソフト(介助、サービス)における課題を見つけ出そうとしている。ハードでは対応しきれない領域が必ずある。そこに目をむけ、障がいの方に対する配慮方法をWebで公開(きくばりあふりー)し広めようとする活動だ。これならば、ボランティア活動でやる意義もあるし、決してメーカーには出来ない有意義は領域だ。
今後は「(3)普及・啓発」が活動のポイントになってくると思う。