2013年 04月 21日
新薬開発にむけた闘い
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「自分の病気が遺伝子を要因とするものだとしたら? そして、その親の心中は?」
「自分の筋肉の萎縮が進行中であり、いずれ寝たきりになるかもしれないとしたら?」
これは何れも「心さえ負けなければ、大丈夫」の著者 織田由里子さんの話である。織田さんは「遠位型ミオパチー」という体幹から離れた部位から筋肉が萎縮していく病気を発症し、現在、世界初の治療薬の実現にむけ戦っている。
知的で滑らかな文章は織田さんのイメージそのものだが、語られている事実は重く、その未来は見えそうで見えない。一方でつい先日、安倍首相が難病研究を加速させる意向を示した(関連記事:「先端医療の司令塔として「日本版NIH」創設の意向示す」)同記事に織田さんも語られているように、新薬の開発が実現することを願う。
実は織田さんは私と同じ「エグモントホイスコーレン」の卒業生でもある。留学中、デンマークの障害者の自立をかなえる「パーソナルアシスタント制度」の生みの親であるエーバルト・クロー氏に会い、その当事者運動に感銘を受け、自らも新薬開発に向け活動をはじめた。エーバルト・クロー氏は、当事者運動の秘訣としてこう答えたという。
「どんな状況でも、ユーモアを交えて交渉相手と関わること。そして楽観主義だよ。障害を持ちながら一番良くないのは、文句ばかり言う人。障がい者は闘わなくてはいけない。仲間と励ましあい、一緒になって世間の考え方を変えていかなければならない。何もしなくて、(変化が)向こうから来ることはないのでから」
引用:心さえ負けなければ、大丈夫 P192
なんともしなやか闘い方だ。
by isoamu
| 2013-04-21 22:58
| 福祉