2013年 03月 22日
モビリティ・フューチャーセッション with Denmark開催報告
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デンマーク語の通訳は、エグモントホイスコーレン 日本人教諭 片岡氏(上写真 左)
国際ユニヴァーサルデザイン協議会より手話通訳士(上写真右)の手配を頂きました。
過日ご案内しておりました「モビリティ・フューチャーセッション with Denmark」終了いたしました。デンマーク人合わせ総勢70名近くの方々にお越し頂きました。改めて御礼申し上げます。
プログラムは、二子玉川駅周辺をデンマーク人と散策(当初予定していた電車乗降は中止)しながら気づきを導出し、それを踏まえて日本とデンマークとの差異を導きながら未来のモビリティ環境について対話を持つというもの。
最初の気づきの導出においては、施設自体が新しいこともあったのでしょうエレベーター、階段、トイレなど細部に課題はあったものの大きな問題はないといった印象でした。唯一は外国語表記が少なかったこと。施設自体が外国人を対象としていないからかもしれません。
ただ”多様な特性の方に対する接し方”という点においては、デンマークと日本とに大きな差が感じられました。参加者から投げかけられた「日本は、なぜ”自然”にさせてくれないの?」(電車のサポートが少々大仰なのに対して)は、その差を顕著に表したもののように思います。
後半では、ハード(公共環境・設備)そのものより、デンマーク社会の理念や社会保障に多くの関心が寄せられました。「エレベーターを使わなくていい人が使っている。それが障がいを生む」(デンマーク人)障害は環境によって生み出されるものですが、それは人為的な要因もあり得るということ。「障がいは家族で支えるのではなく、社会が支えるもの」(デンマーク人)単身世帯率が増えている日本において、これからの社会のあり方が問われているように思います。「自立とは、まず当事者(障がい者)の自己決定があること」(デンマーク人)きっと、それでこそヘルパーと尊敬し合える関係性が生まれるのでしょう。散策中のデンマーク人の当事者とヘルパーとの関係性はとてもフラットな印象を受けます。
ハードは”その国の社会背景の映し絵”のようなもの。どちらのハードが良い悪いではなく、”どういう社会にしたいのか”が、ありたいハードに繋がるのだと思います。ある講演での参加者のコメント「ハードが先にあるのではなく、一人一人の気持ちが先にある。ハードはそれに連いていくもの」 私たち自身が自分事として第一歩踏み出せるかどうかが問われているのかもしれません。
一般公募はしていなかった第二部においては、エグモントホイスコーレン日本人OGの言葉「今までで、(留学中が)一番幸せだった」がとても強く印象に残っています。彼女がデンマークでやってきた事は"自分と向き合うこと"。内なる自分の声に耳を傾け葛藤のすえ得られた感覚が"幸せ"だったと。幸福は、自分自身が決めるうることですよね。最大の喜びである幸福が、実は手の届く自分自身の中にあるというのは、とても素敵なことのように思います。ここにデンマークが世界一幸せな国だといわれる所以があるような気がしてなりません。
改めて皆様、本当にありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
by isoamu
| 2013-03-22 17:57
| ユニバーサルデザイン