2012年 12月 21日
「スティグマを感じさせないデザイン」寄稿(Ligare12月号掲載)
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自動車新聞社が発行する『ひと・まち・モビリティ「Ligare(リガーレ)」(12/10発売)』に私の寄稿文が掲載されました。「スティグマを感じさせないデザイン」をテーマにした連載で、その第1稿目です。今後のパーソナルモビリティのデザインのあり方について、およそ半年間に渡り連載していきます。冒頭のみ引用します。
「私はパーソナルモビリティ関連のプロダクトデザインやコンサルティングを手掛ける会社を経営している。前職では全く畑違いのビデオカメラや医療機器などのデザイン担当であったが、欧州での約1年の留学経験が、パーソナルモビリティに特化した事業を始めるきっかけとなった。
欧州の福祉機器デザイナーは“スティグマ(不名誉な烙印)”という言葉をよく口にする。多くの福祉機器が無骨で無機質な印象を与え、それが“使う人に対する哀れみ”を促してしまう。誰しも出来ることならば、福祉機器に頼らず生活をしたい。しかし使わなければ、活動範囲を狭め、高齢者においては、自宅に閉じこもり、やがて廃用症候群を引き起こすこともある。過度に機器に依存すべきではないが、目的に応じて適切に使えばQOLの向上につながる。
デザイナーは“使う人に対する哀れみ”を感じさせないデザインをし、使う人の尊厳を守り、ひいてはQOLの向上につなげていく。その諌めとして“スティグマにならないようにデザインをしよう“が合い言葉になっていた。
本稿では、こうした観点で、主に電動三輪・四輪車、歩行補助者、車いすなどのモビリティに関して、そのスティグマから解き放たれた欧州のデザイン事例をご紹介する。」
まだネット販売が中心のようですが、ご興味あればぜひお手にとってみてください。
by isoamu
| 2012-12-21 16:46
| デザイン全般