ゆるい関係性 〜愛知県長久手町「ゴジカラ村」〜
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仕事が終わった”5時から”のゆったりした生活をおくる「ゴジカラ村」はケアハウス、幼稚園、託児所などの複合施設。
管理が管理を生み、その意味をも知らずにルールを淡々と守り続ける。そのうちそれを疑うことさえ面倒になってくる。ここは主宰者が幼い頃の原体験を少しづつ、そして大回りしながら再現したところ。戦後の高度成長期の少し手前、まだ家族に世代が交ざっていて地域とのつながりがあったころの雰囲気がここにはある。
「ゴジカラ村」がある長久手町には”講(こう)”というのが残っているのだそうだ。地域の互助会のようなもので、以前は毎日、異なる家に集まって対話がもたれていたのだという。半年から1年単位で、ゆったりと物事が決められていく。地域の合意形成の場でもあり、地域の見守りも兼ねる。
夫婦喧嘩をしている時、ふっとその間を猫が通る、もしくは子供の突拍子もない一言で緊張が和らぐことがある。かっちりと役割が決められている関係だけだと息も詰まる。たとえ、寝たきりのおじいちゃんでも”話の聞き相手”とそれぞれにそれぞれの役割がある。こちらの都合で相手を変えようとすると、ストレスを溜めるだけ。ゆるい関係性から多様性が育まれる。
あくまで見学の受け入れ、とのことでしたので「ユルツナ」としての記事公開は叶いませんでしたが、AXIS 2004 vol109の掲載文が、ここの本質をよく現しているように思います。