本当の意味でのパーソナルモビリティとは 〜クルマ未来博2011視察〜
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先日「クルマ未来博2011」の雑感です。
EV(電気自動車)の主流はエンジン車のスケールダウンやコンバージョン(駆動部の置換)かと思います。その中でも昨今”パーソナルモビリティ”が話題になっていますが、未だ本質的な”パーソナライズ”には至っていないように感じます。もっとユーザーシナリオを仔細にみれば、単に乗り込むだけでなく、荷物を持ってくれる、転がして持っていける、旅行先に持っていけるよう畳める、子供と一緒に乗れるなど多様なニーズを見出せるはずです。例えば”サポートモビリティ”というポジショニングにすれば、闇雲な使用を避け、歩行などの運動機会を損いません。”乗ったまま全てが済んでしまう(移動できてしまう)”ものを、僕らは望んでいないのかもしれません。
同時開催の講演では”世帯の単身化””大都市生活者が全人口の60%になる”などに触れ、”パーソナライズ”と、都市の狭小スペースにもフィットする”コンパクト性”が提言されました。従来の自動車は、普段は1名乗車であっても家族を乗せることを想定し、ついオーバーサイズになりがち。今後は単身世帯化や環境意識の高まり、都市での高密度化などを背景にダウンサイズは免れないでしょう。欧州の自動車メーカーが相次いで一人〜二人乗りの小型モビリティを提案しているのは、こうした人口動態予測が背景にあるといいます。
もう一つの大きな潮流はロボットとモビリティの融合でしょう。自律移動ロボット(中写真の左下)、人工知能ロボットなどと称されるような領域。既に大学研究機関では取り組まれていますが、アブダビでは自動運転タクシー(中写真の右下)が実証実験されているとのこと。これは視覚障がい者のアクセシビリティにも資するものになるでしょうし、災害などの有事の際にも適切に避難経路をガイドするものにも繋がるかもしれません。

モビリティに関する問い合せや業務が増えてくるのにあわせ、業務内容を紹介するチラシを作りました。デザイン事務所ではありますが、単にスタイリングを提案するのではなく、どう活用すべきかのソリューション、またエスノグラフィー(参与観察)を通じたユーザーシナリオに即したユーザーに寄り添うデザインの提案をいたします。