市民参加型映画「ふるさとがえり」上映+対話で思うこと
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先日の「OPEN LAB2011 第6回 『ふるさとがえり』上映+対話」では、ファシリテーターとして参加させて頂きましたが、多くの気づきを得られた豊かなひと時となりました。
始まる前のスピーカーの方々との雑談で印象に残っているのが「地域に拘った活動が結果的に発信力をもつ」ということ。これは以前「ubushina」の立川裕大さんと「co-lab」の田中陽明さんとも話題になったのですが、今の地域ブランディングは経済性を求めるために、その多くが消費力のある首都圏や欧州をターゲットにする。そうするとマーケティングの定説に従って色、テイスト、商品企画が他社と似通ってしまうというのです。地域性を売りにしようと外にでても結局埋没してしまうわけです。
「恵那川上屋」の鎌田社長は十年以上もの間、あくまで地元で受けいられる商品開発に拘り、それが結果として他に類をみないオリジナリティ(とても美味しい栗菓子)を生み出しています。岐阜県以外での店舗は二子玉川東急フードショーのみ。答えは他者にあるのではなく自己の追求にある。それがオリジナリティを熟成し、結果として強い発進力を持つのかもしれません。ご著書「日本一の栗を育て上げた男の奇跡のビジネス戦略」にはその過程が詳しく紹介されています。
「石塚計画デザイン事務所」の石塚雅明さんからは「感動体験の共有」というキーワードを頂きました。損得を超えて感動を共有した時にこそ”人とのつながり”が生まれ、それがひいてはその街づくりの核となっていくということ。
恵那市の映画『ふるさとがえり』の制作を推進した「えな心の合併プロジェクト」の小板潤治さんは「映画公開後に街はどう変わったのか?」という問いに対して「まだ何も変わっていないです。ただ映画制作を通じて強力な人のつながりが出来たと思います。」といいます。映画という感動を伝えるものを作り上げた共同体験によって、未だカタチにはなっていないものの、石塚さんがいう”街づくりの核”が恵那市には形作られているのでしょう。
今回、観るのは二度目でしたが、やっぱり泣いてしまいました。故郷における人の感情や想いが襞のように折り重ねられているとてもいい映画。一度目に観たとき感動して大泣きしてしまい「ふるさとがえり」の制作会社「Fireworks」の池内さんに「二子玉川でも上映しましょうよ!」と言われ、感動のあまり何も考えずに「ハイ」と答えてしまったのが運のつき。やはり感動は人を突き動かすのです。
是非、観てみてください。「ふるさとがえり」上映情報はコチラです。