2011年 09月 12日
「3rd 福祉デザインナイト」ご参加ありがとうございました。
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<使用スライド> 2nd福祉デザインナイト、3rd福祉デザインナイト
先日、3回目の「福祉デザインナイト」を開催しました。ワークショップとしては今回を一区切りとして、皆さんに出して頂いた素晴らしいアイデアを「70歳代のライフスタイル」という本にまとめようと思っています。
日本の単身世帯化(2008年−31.2%、2030年—37.8%)が問題視されていますが、実は北欧諸国の単身世帯率はスウェーデン—46%、デンマーク/ノルウェーー38%(いずれも2008年)と日本のそれを大きく超えています。結果、血縁に頼るのではなく、50歳代後半〜70歳前半の自立期に「コ・ハウジング」「コーポラティブハウス」「コレクティブハウジング」など周囲とつながりのある暮らし方への移行を進めています。
私たち日本人にとって血縁はまだまだ強いつながりではありますが(もちろん今後もそうですが)今の現役世代が高齢期を迎えるころ、果たして私たちは子供世代に介助を期待できるのでしょうか? 介護期になる前に、血縁に依らない相互扶助を組み立てていくなど、自分たち自身で高齢期の暮らしをデザインしていけば最後まで活き活きと暮らせるはず。「70歳代のライフスタイル」という冊子は、未来の私たちの暮らし方をバックキャスティングし、これからの高齢化社会を作り上げる大きなきっかけづくりにしたいと思っています。
今、本作りをお手伝いして頂ける方を募集しています。装丁デザイン、イラスト、編集、レイアウトなど一緒に活動し、これからの暮らしを考えるきっかけづくりをご一緒しませんか? ご興味あれば、info★gradie.jp(★を@)までご連絡ださい。
以下、1回目〜3回目の振り返りをいたします。
■ 1st 福祉デザインナイト
主催者側から今の高齢化社会を俯瞰した問題提起を行い、参加者それぞれが身近なところで何を感じているかを共有。それを踏まえて、では「自分の高齢期はどうありたいか」をワールドカフェ形式で発散を行いました。得られた様々な視点を主催者側で「共に楽しむ場づくり」「挑戦し続ける」「多世代でつながる」「個性や嗜好にアジャスト」の4象限(上図)に整理をしました。
<関連エントリー>
・「福祉デザインナイト」ご参加ありがとうございます。(イソムラ式)
・「福祉デザインナイト」が開催されました(co-lab二子玉川)
・福祉デザインナイトに参加してきました(ZERO-ONE BLOG)
・Catalyst BA(コーディネーター日記)
<使用スライド>
・福祉デザインナイト
■ 2nd 福祉デザインナイト
1stで「共に学ぶ場」「共に作る場」などの視点が出されたのですが、実際にそれを進めていらっしゃるトップランナーに直接話を伺いインスピレーションを得るプログラムにしました。渋谷を舞台に学ぶ場を通した街づくりをされていらっしゃる「シブヤ大学」の今村さん、市民参加型映画作りを進めていらっしゃる「Fireworks」の池内さんからショートレクチャーを頂いた上で、1stで作成した4象限に更に気づきやアイデアを貼付けました。そして、その4象限毎にチーム分けして「これをしたい」という具体的なプロジェクト案の導出まで行いました。そして最後に、今までのアイデアをまとめた冊子制作とその出版記念パーティーを行うことを発表しました。
実は、ここでのつながりから、Fireworksさんが手掛けた市民参加型映画「ふるさとがえり」を、ここ「カタリストBA」で上映することになりました(10月末予定)。クリエイティブ・シティ・コンソーシアム、二子玉川の地域の方々、co-lab二子玉川に所属するクリエーター、そして東急フードショーにある「恵那川上屋」(映画の舞台となった恵那市の和菓子屋さん)の社長と映画作りに携わった方々を交え「映画づくりと街づくり」をテーマにセッションを持つ予定です。これもブログでご案内しますので、是非遊びにきてください。
<関連エントリー>
・「2nd・福祉デザインナイト」開催のお知らせ(イソムラ式)
・7/28「福祉デザインナイト Vol.2」参加者募集!(co-lab二子玉川)
・2nd 福祉デザインナイト「未来プロジェクト(仮称)」(coordinator's note)
・福祉デザインナイト第二弾(デザイン思考)
■ 3rd 福祉デザインナイト
3rdでは、今まで得られたプロジェクトによりリアリティを持たせ、そしてより魅力的にさせる収束プロセスを行いました。改めて1st〜2ndを振り返り、アイデアを深めたいプロジェクトを選び、各グループで対話を進めました。例えば「思い出ボックス」というプロジェクトでは、単に今までの思い出を収集するのではなく、時系列で過去を振り返ることで新たなつながりを発見し、また思い出の品を交換することで新たな思い出を創りだしていくというものに昇華させました。「多世代MATSURI」というプロジェクトは、山手線を一定時間貸し切り、都内を一巡するイベント列車とさせ、多様な人々と楽しむ場のアイデアに昇華させました。祭りという周遊性と環状である山手線をうまく掛け合わせた魅力的なアイデアだと思います。「第二の名刺」というプロジェクトは、そもそも名刺というものが”実績や成果が蓄積されたもの(社名、職制など)”という本質に触れ、高齢期における名刺は”これから活動していくきっかけを与えるもの”という視点に辿り着きました。今後は、皆さんから頂いた視点を冊子にまとめ、こうした活動が広がっていくようにしたいと考えています。
冊子は、プロジェクトの紹介に留まらず、ワークショップと同じ問い「高齢期にどう暮らしていきたいの?」をネット調査し日本中の方々がどのように感じているのかを俯瞰したり、今の高齢化社会に資する活動をしているトップランナーのインタビューなど幅広い視点を取り込んでいきます。そして、そもそもこのワークショップのプロセス自体も公開し、冊子を手にとった方々が、自分たちで開催できるような情報も盛り込んでいきます。
更には冊子作りに留まらず、ここから具体的なプロジェクトにまで進化させていきます。またいつかご報告します。
<関連エントリー>
・3rd 福祉デザインナイト(告知ーず)
・「3rd 福祉デザインナイト」開催のお知らせ(イソムラ式)
<使用スライド>
・3rd 福祉デザインナイト
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
by isoamu
| 2011-09-12 15:28
| 福祉