バリアフリートラベル(デンマーク編)1
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3月3〜8日にデンマークに訪れました。目が不自由な方、耳が不自由な方、お子様連れの方、車椅子ユーザーなど多様な特性の方々と同行し、実体験な中で観光のUDを考えるものです。日本とデンマークの違いとその背景を推察しながら、私が気づいた点をご紹介したいと思います。さて下写真の共通点がお分かりになりますか?

コペンハーゲン国際空港(上写真)ですが、エレベーター、エスカレーター、階段が同じ場所にレイアウトされています。


ルイジアナ美術館(上写真2枚)です。傾斜地に建てられたためか展示エリア内に4〜5カ所の段差があります。ただすべての段差に昇降機が設置されています。日本でも駅構内でよく見かけますが、必ず駅スタッフによるオペレーションが必要ですよね。こちらでは来場者が自由に使っていいものとなっています。だから車椅子ユーザーだけでなく、乳母車のお母さんも気軽に使うことができます。ただ展示エリアの最後に階段が残ってしまっていて、車椅子ユーザーにとっては経路を戻らないと出られない設計は残念(^_^;

トラップホルム美術館(上写真)です。今回は電車遅延のため訪問できませんでしたが、大きなホールにスロープ、エレベーター(奥の半円形のもの)が設置されています。スロープも車椅子のまま通行できる傾斜です。好みに合わせて使い分けが出来るわけです。デンマークでは、こうした採光を兼ねた大きな吹き抜けに上下移動を配している建築をよくみかけます。上下移動を楽しいものにしてくれます。


コペンハーゲン地下鉄(上写真2枚)です。エレベーター、階段が同一箇所(上写真)に設置されています。この地下鉄の構造は極めてシンプルで、エレベーターはワンパスでホームに降りることができます。エスカレーターはジグザグ移動する百貨店のような配置ですが、エレベーターと同じホームに降り立ちます。この大空間を利用した採光で地下にも関わらず明るく快適な空間を演出しています。(関連エントリー:引け目を感じないアクセシビリティ)
”身障者対応”という区別されたアクセシビリティではなく、同じ空間に同じようにアクセス方法を確保する。日本では車椅子ユーザーの友人と「じゃホームでね」と分かれ離れになる施設も多いですが、今回紹介した施設は、利用者に疎外感を与えないいい設計をしていると思います。そして、こうすることで誰でも利用しやすいものとなり、結果として施設管理も合理化できるのではないでしょうか。多面的にメリットが得られる設計だと思います。
こんな具合に幾つか続けていきます。以下に関連エントリーとして「バリアフリートラベル(韓国編)」と「バリアフリートラベル(TDL編)」を掲載しておきます。あわせてご参考にしてくださいませ。
「バリアフリートラベル」(韓国編)
■ バリアフリートラベル 1
・サポート(介助者)は”余裕を持った人数”と”同姓”であることが望ましい
・フライトチケットの手配時には”車イスの幅・種類”を伝えておく
■ バリアフリートラベル 2
・ホテル予約時には部屋の設備について詳細に確認する
■ バリアフリートラベル 3
・車イスの介助は”凸より凹”に注意
■ バリアフリートラベル 4
・移動は余裕をもって
■ バリアフリートラベル 5
・空港への往復は車をチャーター
■ バリアフリートラベル 6
・目の見えない方には常に”実況中継”を心がけて
■ バリアフリートラベル 7
・忘れ”視覚障がい者”に注意
■ バリアフリートラベル 8
・車イスで行けない所は、デジカメで伝えあおう
■ バリアフリートラベル 9
・目の見えない人へのメールは”音声読み上げ”に配慮して
■ バリアフリートラベル 10
・韓国のアクセシビリティはまだまだ発展途上
「バリアフリーテーマパーク」(TDL編)
■ バリアフリーテーマパーク 1
・多様な情報保証
■ バリアフリーテーマパーク 2
・ライドアトラクションのアクセシビリティ
■ バリアフリーテーマパーク 3
・サポートへの配慮
■ バリアフリーテーマパーク 4
・専用スペースの準備