置き去りにされたユーザー
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多くの視覚障がいのある高齢の方が ”ラジオでテレビを聞いている”という。それが地デジ移行に伴い適わなくなる。もちろんワンセグなど購入すればいいのだが、今まで気軽で簡単にTVが聞けていたことを考えると気の毒である。そういえば新札、プリペイドカードの導入期においても、目が不自由な方が置き去りにされていたものだ。
厚生省「平成21年度障害者自立支援調査研究プロジェクト」の「視覚障がい者の歩行移動を支援するための 音声案内システムの現状及び今後のあり方に関する調査」では、21社が開発する各支援システムを比較調査している。こうも告知が不十分且つシステムが乱立していては、作り手の自己満足と言われても致し方なかろう。
電子書籍も音声読み上げによる情報バリアフリーの可能性が期待されている。ただ、今の電子書籍端末のほとんどはコンテンツの音声読み上げには未対応のようだ。(参照:電子書籍端末と視覚障害者)そしてこちらでも規格が乱立している。(参照:デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」報告の公表(政府は規格統一に向け意欲をしめしているようではある)
新たな技術の開発プロセスには、置き去りにするユーザーがいないのかどうか確実に検証しておきたい。市場導入が滞りなく、そして全てのユーザーに技術の恩恵がもたらされるように。