2011年 01月 06日
”ラストワンマイル”のユニバーサルデザイン
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地元の神社に初詣に出かけたとき、たまたま高齢の方に声をかけられたのですが「深川七福神巡り」をしている途中で道に迷われたとのこと。「今日は天気もいいし、体の調子もいいから七福神を全部廻ろうと思っているの」と、ただ今までの数年間は体力的に全部廻るのを途中で諦めていたという。
普通に聞けば それまでの話だが、こうした”途中で諦める”というのは高齢の方には多いのではないでしょうか。家族と一緒に出かけようにも体力を気にされて家に留まる、もしくは買い物も途中で諦める(本当は欲しいものがあったとしても、である)折角の外出機会を逃しては、地域との接点が失われたり、地元の商店街にとっても利益機会の喪失に繋がっているはずだ。もう少し背中を押してあげることができないものか。
歩行をサポートするツール(電動三輪車・四輪車)を活用すればいいのだが、日本では普及が進んでいない。スティグマデザインという固定観念に加え、ハード的にも都会に住む方にとっては大きな電動三・四輪車は収納に困るだろう。そして外出先でお茶をするにも駐車スペースをとって気が引けるなど。また体のことを考えれば、極力体を動かしたいところだ。歩行などの有酸素運動がもたらす効果は周知の通りで、闇雲に道具に頼るのも避けたいところ。
上: Luggie
下:TravelScoot
欧州ではコンパクトに折り畳める電動三・四輪車の用途提案が盛んだ。コレ、うまく活用できるんじゃないかな。歩きたい時は転がして歩行補助車として使い、疲れてきたらサッと切り替えて乗車する。旅行先に持ち運べば、家族と一緒に観光散策を思う存分楽しめる。しかも家族にも負担をかけることがない。段差があっても、同行する家族がひょいと持ち上げてあげれば、別行動になることもない。そもそもコンパクトだから自宅に収納するにも便利だろう。
こうした、アクティビティをちょっとサポートしてあげる”ラストワンマイル”のユニバーサルデザイン、いいと思いませんか?
欧州(特にイギリス)ではショップモビリティという電動三・四輪車をレンタルする活動が盛んです。以下に関連エントリーを挙げておきます。
・ユニバーサルデザインの事例と動向「ショップモビリティ」
・イギリスのショップモビリティ
・ショップモビリティ(Shopmobility)
・タウンモビリティ(こうれい研)
・英国ショップモビリティ
・タウンモビリティ
by isoamu
| 2011-01-06 12:29
| ユニバーサルデザイン