2011年 02月 18日
手作りを楽しむデンマークのエコビレッジ
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コペンハーゲン(デンマーク)から電車1時間+車15分程度のところにある「Hallingelille」(エコビレッジ)は7年程前に始まったという。広大な敷地の中にポツリポツリと小さな家が建ち始めている。案内してくれたCamillaは「ここはエコビレッジにしては小さな方(大人40人、子供25人)だけれども、これくらいが互いにコミュニケーションがとれて丁度いいのよ」という。因に私がゲストワーカーとして働いた「スヴァンホルム」の住人は「あまり人数が少ないと仲が悪くなった時に逃げ場がないでしょ。ここなら(スヴァンホルムは130人)ちょうどいい距離が保てていいのよ」というが、人それぞれ考え方次第(^_^;
「Hallingelille」のサイトには、住人自身で家を建てている様子が掲載されている。自分で作り上げているものは、誰しも見せびらかしたいものだろう。
作りかけの自宅の中で子供とゆったりと過ごす。「写真撮っていいですか」と聞くと「じゃーこの天井見てくれよ。気持ち良さそうでしょ」と3階まで吹き抜けになっているところを自慢げに紹介する。「よく自分で建てようと思ったね?」と聞くと「そりゃ最初は心配だったけど、周りが皆やってるからね」とさらり。この耐候性と保温性に優れるという多角形のカタチはエコビレッジの定番だが、未開の地のシェルターのようで、なんだかワクワクさせられる。また屋根に貝殻を再利用するなど思い思いの方法を試している。
こちらはガラス職人の女性の住宅だ。自分で作ったものをインテリアにするなど、家自体も彼女の作品になっている。リビング真ん中の曲がった木は、空間をやさしいものにしてくれている。そこに掛けられたハンモックも心地良さそうだ。
”作り上げる”のは、なにも箱(住居)だけじゃない。「Hallingelille」内にあるこのコレクティブハウスには子持ちの夫婦、高齢の女性など6世帯が一緒に暮らしているが、2〜3年かけて住人同士お見合いをしながらコミュニティを作り上げているという。世帯毎のプライベート空間(キッチン、サニタリー完備)、そして共有部分として80平米程の大きなリビングとダイニングキッチンがある。ちょっと助けが欲しいときには、すぐ手が借りられる安心感がここにはある。育児、車送迎など多世代だからこその相互扶助があるのだろう。
エコビレッジでは見慣れたコモンミールの様子。子持ちのお母さんにとっては、子供同士で遊んだり、高齢の方が子供の相手をしてくれたりなど息抜きが出来ていいという。ゲストとして一緒に食事をしている私にも「どこから来たの?」「仕事は?」「なんでデンマークなの?」「他のエコビレッジとどう違う?」など質問攻め。彼らにとっては、ゲストも息抜きの一つなのかもしれない。
今後は太陽電池、風力発電、幼稚園、農場などを作っていくという。そう説明するCamillaはとても楽しそうに見えた。
by isoamu
| 2011-02-18 22:07
| デンマーク