2010年 12月 16日
日本品質
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リエゾンセンターで行われた「中国の高齢化危機とデザインソリューション」では、中国の課題として「貧困」「公害」「低賃金」「西欧化」「高齢化」の5つが挙げられた。その中でもヤン氏は「高齢化」に焦点をあて、カーデザイナーとしてパーソナルモビリティの可能性について言及した。(関連エントリー:パーソナルモビリティの可能性)
高齢化社会の大きな課題は、ハード的解決よりむしろ社会的繋がりの喪失の方が大きい。(関連エントリー:世代を超えた共存、福祉施設のあり方、人が集うちょうどいい具合) そして、安全かつ快適な外出をサポートするパーソナルモビリティは、社会的繋がりの創出にもなると思っている。あとは当然、環境負荷の軽減と新たな産業の創出にも繋がる。
ヤン氏に、日本におけるシニアカー(電動三輪・四輪車)のマーケットが頭打ちであること、そしてその要因の一つにスティグマデザインがあることを話すと「中国ではそうしたステレオタイプよりむしろ価格が肝要」だという。会場からの「GPSなどの自動ガイドも視野に入れているのか」という質問に対しても、やはり価格適応性が優先するという。
一方で、海外における日本製品の競争力は、やはり高品質だろう。中東で働く友人は「但し、高品質であればお金を払うという感覚はない。しかし安かろう悪かろうではダメで、あくまで日本品質のものを安く手に入れたい」という。
「高品質を安く」できれば言うことなしだが、そうではなく、そもそも日本品質の本質がどこなのかを見出したい。高級感よりむしろきめ細かな工夫、おそらく私たちが当たり前だと思っていることが、海外にとって価値あるもののはず。
by isoamu
| 2010-12-16 22:11
| デザイン全般