若さをとりもどす福祉用具
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先日視察したドイツの福祉用具関連展示会「REHACARE International 2010」で印象に残ったRollz International社のブース。この歩行補助車は手押し型の車いすに形が変えられるタイプだが、カラフルなボディー色とこの商品訴求は従来のステレオタイプな高齢者向けとは大きく異なる。
ターゲットユーザー(高齢者)の若い頃であろう白黒写真を大胆に扱い、まるで”若さをとりもどせるかのような”商品訴求だ。開発者は「21世紀のシニアは冒険心と好奇心に富み、可能な限り旅行を続けるもの。そうした新しい世代 (The Next Generation of Senior)に向けた全く新しい商品だ」という。HPも非常にポップで若々しいイメージだ。
福祉用具というと、出来れば使いたくない商品であろう。こうした問題意識はメーカーにおいても周知の事実で様々な取り組みがされているが、ここまで思い切りのいいものは珍しい。「川縁を気持ちよく風をきって走りたいから、いい自転車を買う」「もっと飛距離を延ばしたいから、いいゴルフクラブを買う」のように「もっと旅行を楽しみたいから、いい歩行補助車を買う」もしくは「この前、新してカッコいい歩行補助車買ったから、ハイキングにいかない?」
必要のない人まで使うことはないが、使うことで行動範囲が大きく広がるのであれば、積極的に活用した方がいい。そちらの方がより安全に、より楽しめるはずだ。