2010年 09月 25日
即興性と社交性
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先日の授業は、なぜか朝から全キャンセルとなり、ランチパックをもって外に出かけることになった。「なんで?」と聞くと「Just fun」とのこと(^_^; 学校から電車で20分程の「Helsingør」に集まり、グループ間でクイズに答えながら街を散策するというリレーゲームを行う。昼食後には古城を囲む公園でアフタヌーンティーとケーキを頂いて帰宅。そして夕食を頂こうとダイニングに行ってみると、なぜかパーティーのセッティングがされている?! そしてドレスアップした校長から「人生はサプライズの連続」とのコメントを皮切りに、ウエイトレス、ウエイターに扮した教師が食事のサーブをし始める。朝からの急な予定変更も含めて、教師側からのサプライズプレゼントだったわけだ。
一通り食事を終えた後、午前中に組まれたグループで簡単なミュージカルを披露した。まともな時間も与えられないまま5分間程度でささっと決める。実のところ常に与えられる対話の時間は、ほとんど5分以内。だからそもそも即興に慣れている。そして単純な割にはこれが結構楽しめる。最後にはサプライズを用意してくれた教師と、食事の準備をしてくれたシェフに労いの拍手で閉会。以前在籍していたホイルコーレンも、週一回は何かしらパーティー、イベントを行っていた。このホイスコーレンも毎土曜22時頃から学校のホールで定例パーティーが行われている。持ち回りでパーティーの企画と運営を生徒が担っているのだが、あまり苦にすることなく即興でササッとやりきってしまう。
日本人が多く在籍するホイスコーレンのカルチャルイベントと称した各国紹介では、日本人は他国と比べ、緻密で多くの時間を掛ける傾向にあるという。欧州は、悪くいえば大雑把、良くいえば高い柔軟性と即興性。日本は悪くいえば余計に時間をかける(そのうち、すること自体が面倒になる)、良くいえば緻密で繊細。こうした価値観の違いで各国のモノづくりを紐解いてみると、思い当たる節が結構出てくるものです( ̄∀ ̄*)
出展元:社会的孤立の状況(OECD諸国の比較)1999-2002
さて上のグラフ、単純ながらも示唆に富むデータ。僕ら日本人は、その繊細さゆえ人間関係においても”腫れ物に触るかのような”意識下にあるのかもしれない。グループ内の協調維持のため衝突を避け、極限まで互いを察しあうことについには疲れてしまったのではないか。それがプライバシー保護という捩じれた権利の主張に繋がり、個人主義を助長させてしまった。欧州の個人主義は、プライバシー保護という意識もあるが、個の意見の尊重と、そのためにはそもそも個が発信しなければならないというロジックがある。個から発信がなければ尊重のしようもない。
パーティー好きなど自前で楽しんでしまう即興性は、社交性にも優位に働く。僕らはレールが決まれば、一致団結して力を発揮するが、個々の生活における社交性の欠如は以前から指摘されているところだ。せめて地域のコミュニティにおいては、会社人たる意識は少し横に置いて、即興を演じてみてはどうだろうか。
by isoamu
| 2010-09-25 07:29
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