2010年 09月 08日
ポジティブマインドの共有
|
「MDGs」のキャンペーンに先立ち、ホットなチームを作るための創造性向上を目的としたワークショップが行われた。最初に、創造活動は発散と収束の2段階があるとした上で、今回は発散のプロセスだという前提を与える。次に、その発散に適した環境作りとして、”破綻”大歓迎の部屋の模様替えを行う。可能な限り驚きあるものを目指す。机の配置替えから始まり、机の上に椅子、机を置く、さらにその上に乗って眺めを変えてみる、照明に服を掛けてみるなど。こうしてグチャグチャになった環境は、破綻を受け入れる創造的な空間になる。更にそこから何が想起できるかを試みる。机の上の椅子を擬人化し”一斉に山頂を目指している”とするなど可能な限り発想を広げる。
次に、二人一組になって相手の似顔絵を描くというエクササイズ。但し”手元の紙を見ないで”という条件付だ。当然、線は崩れるしハチャメチャになるのだが、これが反って絵の上手い下手に関係なく自由に描くことができる。そして「夢は?」「家族に連絡しているか?」など、相手に対して自分が何を感じたかを元にした問いかけを書き、交換し合う。異なるメンバーによって書かれた自分の似顔絵を6枚溜めた所で、その中で一番気に入ったものを全員に共有する。似顔絵と問いかけは相手を通した自分の鏡でもある。自分を振り返るきっかけであると同時に、ラフに書いたからこそ創造力を掻き立てる魅力的なものになる場合もある。偶有性に対する可能性を体験させる。
次は「Yes」しか言わないエクササイズ。二人一組になって「どこに旅行したいか?」から会話を転がす。インドで象に乗る→象の上に家建てる→二階建てにする→ホテルにする→移動式ホテル、などあり得ないことを肯定(Yes)することで発想の飛躍を図る。
部屋のあちこちに貼られた紙にアイデアを書くというものも単純だが効果的だ。人に注目されずコッソリと自分のアイデアを披露できる。またランダムに書かれたアイデアのリストは、思わぬ発想を導くこともある。
次は4〜5人のグループで任意のものを対象に突拍子もない活用法を考えるというものだ。扇風機→スクリュー→小型ヘリコプター→拡声器など、全く異なるものに見立ててアイデアを被せていく。これもまた常識にとらわれない肯定思考を試みているわけだ。
最後は4〜5人のグループでワークショップで感じたことを”カタチにする”というもの。抽象情報の具象化による発想の柔軟化を図る。ワークショップ全体のレビューも兼ねている。そもそもエクササイズ毎にも、必ず感じたことを共有させる時間を、二人一組もしくは全員で持たせる。
こうしたマインドセットはプロジェクトのスタートアップには有効だろう。この思考法が共有されていれば、プロジェクト進行中の発散時に批判的発言をしたメンバーにすぐ警告を発することが出来る。ただ発散から収束に至る過程で様々なコンフリクトが顕在化するだろう。プロジェクト進行中にも随時こうしたワークショップを取り入れながら進めるといい。前職でワークショップのファシリテーターをやっていた頃を思い出すが、基本的なメソドロジーはどこも同じ。世界は狭いね。
関連エントリー
・エクササイズ
by isoamu
| 2010-09-08 06:30
| デンマーク