2010年 08月 22日
自前できる贅沢さ
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旅行から帰ってきたゲストワーカーの一人が昼食を食べながら「これ全部オーガニックだ。贅沢だよな」とポツリ。ここは自家栽培しているものに限らず、外部から調達する調味料などもオーガニックに拘る。因にこの一言は、使っているケチャップもオーガニックだったのがきっかけ。
ただ確かに旅行先ではなかなかお目にかかれない食事ではある。特にデンマーク国内は基本的に食事にはあまり気を使わない国民性だからだろうか、外食のバリエーションは限られる。いや普段の生活においても、そうそう食べられるものではないだろう。その有り難みは日常生活の中において簡単に埋没するけれども、外に出ると再認識する。
ダイニングは住民が集まれるフレキシブルな空間だ。日々の食事だけでなくパーティー、映画上映など様々な催し物を行うことができる。ここにはバーカウンターにエスプレッソマシンもあって、当然日々の食事を提供するグランドキッチンもあるからパーティーを開くのはお手の物だ。この日は住民同士の結婚を祝うパーティーが開かれて、ラムの丸焼きが振る舞われた。
ある夜、ダイニングの上の小さなホールでコンサートが開かれた。ラウンジ形式でビール、ワインを飲みながら楽しむ。演奏者は住民自身だがなかなかの腕前。多才な住民が集まるとイベントも全て自前できる。そして夜も浅いうちは子供も戯けて踊る。コミュニティ内にこういう機能があるとは、んー贅沢。別の夜には、屋外の物干場所に干し草のクッションを敷き詰め、皆で寝転がりながらアフリカ音楽を楽しんだそうだ。コミュニティ周囲は自然に囲まれているから、隣近所に気兼ねすることなく音を出せる。
ここにはアーティストも住んでいる。コミュニティ内の彼の画廊では不定期で絵画教室も開かれる。そしてコミュニティ内には彼の作品が至る所に飾られている。
決して豪華な暮らしではない。建物は古いし車も中古だったり、基本的にあんまり綺麗じゃない。ただコミュニティ内にいろんな機能や才能が包含されていて、自前でいろいろ楽しめる。こういうのって、かなり贅沢じゃないのかな。
by isoamu
| 2010-08-22 06:59
| サスティナビリティ