観光資源としてのソーシャルシステム
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上写真は世界中から集まったゲストワーカーの寄書
先日、カナダで建築を勉強する学生が見学に訪れた。本訪問がデンマーク国内のエコビレッジ5カ所目だという。以前就学していた「エグモントホイスコーレン」でも、日本で建築を勉強する学生が見学に訪れていた。彼女は24カ所ものホイスコーレンを視察したという。いずれも興味の対象はコミュニティの形成にあるが、この国はこうした視察を目的とした訪問が多いのではないか。北欧全体にいえることだが、イタリア、フランス、スペインなど比べ明らかに観光資源は乏しい。彼らにとって視察対象となる社会システムは一つの観光資源なのかもしれない。
コミュニティで暮らす住人にとって、外部の訪問はうれしいものだ。誰しも「自分に興味を持ってくれる人」は快く受け入れるだろう。彼らは定期的に見学ツアーを開催するなど訪問客を受け入れる体制を整えている。
そして外部からの訪問はコミュニティの広告宣伝に繋がる。自己満足でやっている共同生活が、第三者から客観評価を得られることになる。いずれそれは自己満足から”自慢”に替わり、そして”誇り”とまで昇華することもあるだろう。
さてそもそも視察対象足りうるには、唯一無二でなければならない。代用があるのであれば、そこに行く必要がない。だからこそ極めて主観的な自己満足である必要がある。