2010年 06月 20日
Living Labの可能性
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「Den innovative bruger (デンマーク・ユーザー・イノベーション)」の半年間の授業が終わった。本プロジェクトは国からの補助を受けているが、これから担当教官は活動報告書を書くことになる。(参考:ユーザーイノベーション)

学生自身が課題を発掘し、アイデア導出まで持っていくメソッドを数多く実践したが、私にはどれも消化不良だった。教官に尋ねると「そもそもユーザー(本校の学生)による実践が可能かどうかが第一の問題意識」とのこと。であれば、あとは作文だけの話。プロジェクトの成果も定義しやすいだろう。
ただ、そもそもユーザーからのソリューションは玉石混合で問題解決を委ねるには難しい。個々の課題に個々の技術を重ねる(TouchPad + GPS + Flexible Display + more...)のが典型だ。ここの問題意識はデザイン教育とも繋がるのだが、一定の制約条件下でいかにスマートに問題解決できるかどうかが要なのだ。そうしたセンスはやはり一般のユーザーには困難と言わざるを得ない。

イノベーションを成立させるためにはアイデア導出後の行程にも配慮が必要だが、ユーザーによるアイデアの活性化も含め、初期段階においてクリエーターとのコラボレーションを考えるべきだろう。もしくはリサーチ機能として割り切るのであれば、現体制でも十分価値を訴求できる。但し、その際にはリサーチ機能としての汎用性(より多くのユーザー属性)が必要になってくるだろう。

via:Living Lab
上記は企業向けの売り込みだが、Living Labというコンセプトは面白い。これから徐々にコンテンツを増やしていくとのことだが、"Living"であるゆえのものであればより効果的だろう。具体的な企業が内定すれば、それ専用のカリキュラムを組むこともできる。そうすれば、もっと角度は上がってくるのかもしれない。
by isoamu
| 2010-06-20 07:02
| デンマーク