心地いいサスティナビリティ
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先日コペン市内にある「Hotel Guldsmeden」に宿泊した。オーフス、オスロ、バリ等にもチェーンを持つこのホテルは北欧で初めてec3(環境認証機関)による「bronze Green Globe認証(ツーリズム産業対象)」を受けたという(紹介記事:Hotels with Heart)日本でもツーリズム産業を対象とした認証が紹介されていますね。



再生エネルギー(風力、バイオマス、水力、太陽)のみを提供するNatur-Energyと提携し、電力は全て再生エネルギーで賄う。チェーンホテルの中には太陽電池を設置し電力の自給自足にも取り組んでいる。オリジナルブランドのシャンプー、リンス、コンディショナーは全てオーガニック素材。トイレットペーパーは100%リサイクル紙。コーヒーの出し殻をエッセンシャルオイルと天然塩を混ぜ、ホテル内のスパでボディースクラブとして再利用する。プラスチックではなくガラスのコップ。もちろんゲストにも分別をして頂く。食事は有機素材に拘りフェアトレードと地元から調達する。調達先の選定は生物多様性にも考慮する。建築自体も新築ではなくリノベーション(上写真:ホテル裏には黒いファサードを持つエレベーターが増築されている)室内で使用している家具は木、石などの自然素材に拘る。蝋燭もボトルタイプの詰め替え式。
インテリアはバリ島にインスパイヤされたというが、確かにスカンジナビアンスタイルとしては少々力が抜けて、でも適度な節度は保っている。「Do not disturb」の代わりに「ZZZZZZ....」とデザインされたドアノブプレートも可愛らしい。
スタッフは「確かにコストはかかる。そして、まだまだやるべきことはいっぱいある」という。それにしても、どのスタッフも溌剌としている。高級ホテルのような厳格さはなくカジュアルだが、決してラフではない。そしてフレンドリーだけど丁寧。自分が働いているホテルをとても気に入っている様子。

オープンキッチンを持つダイニングは、ホテルに来たというより、センスのいい友人宅に来たような感じ。朝食がこれまた美味しい。こちらに来てから殆どの朝はシリアルなのだが、初めて”美味しい”と思えたシリアルだった。残ったミルクまで奇麗に平らげてしまった。午前中の予定はそっちのけに、ついつい長居してしまう。
1泊1人朝食込14,000円程度で多少高め。確かに手は抜いていないが、無闇に金をかけている感じではない。ただ全てにおいて丁寧に扱われているのを感じる。それにしても、心地のいい空間とサービス。果たして、サスティナビリティが先なのか、結果的にそうなったのか。
サスティナビリティは今やビッグイシューだが、美味しいもの、心地いいものを追い求めて行った結果がサスティナビリティだった、という風に、生活の中からひとつづつ拾い上げていく方がいい。そういうモノであって欲しいし、その方がしっくりくる。気持ちも持続維持(サスティナブル)できる。
ホテルの小さなパンフレットにはこうした記載がある。
「A holistic approach -In regards to climate, energy consumption, recycling, organic and fair-trade products, we have always been one step ahead. We have to discover new and sustainable ways of doing things. -It's actually great fun!」
そう”It's actually great fun!”でなくちゃいかん。