2010年 03月 24日
つくづく不思議な環境
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バリアがあろうがなかろうが、関係なくガシガシ行ってしまうし、楽しんでしまう。
本校には十数年在籍している障がい者もいる。費用(学費、食事、寮費)の80%は国から補助されるとはいえ、残りは自分で負担しなければならない。しかし障害者年金で全て賄うことができる。何人かに在学理由を聞いてみると「1人で寂しいから」「仕事に疲れ、少し休みたい」「この場が気に入っているから」と、まあ緩い理由がほとんどだ。
パーソナルアシスタント制度による介助はほぼ完璧ではないか。実際、彼らからも、この制度のお陰で普通に生活できている、といった主旨の発言もある。本校以外からヘルパーを雇用している障がい者には、2週間のスタディーツアーの途中1週間目に交代要員がデンマークからやってきていた。当然、交通費、宿泊、食事代も支給されているんだろう、すご過ぎ。
担当のヘルパーのみならず、教官、アシスタントティーチャーもよく世話をしている。特に知的障がいを持つ学生には、食事、排泄、入浴の介助に加えて、イベントも一緒に楽しむなど何から何までよく世話をしている。また欧米人ならではとは思うが、頻繁に声をかけたり、話しかけたりと、フランクな雰囲気作りがうまい。「あー、うー」としか発声できない学生に対しても、そのうまくコミュニケーションできない様を逆に(決して蔑んでいるのではなく)楽しんでいる。国の仕組みの上にたってのことだが、こうして同年代の友人たちに助けられながら一緒に過ごす生活は、この上なく幸せな環境ではないか。学校でもありながら、結果的にデイケア、グループホームの機能も包含している。しかもダイバーシティにだ。
いくつかのホイスコーレンでは外国人も受け入れている。クリティカルな入学基準はなく、基本的には誰でも入れる。(ただ車イスユーザーに対しては、学校の環境上、受け入れを拒むケースもあるようだが)私も在籍しながら、デンマークを知る機会を提供されているわけだ。デンマーク人と同じ80%もの補助を受けながら。外国人の中にはホイスコーレンでデンマークを知り、デンマーク語を勉強し(語学学校も無料)、そのまま滞在を続けている方もいる。ここは、外国人に対してのデンマーク社会への受入機能をも有しているのではないかとも思う。
つくづく不思議な環境
by isoamu
| 2010-03-24 07:52
| デンマーク