2010年 01月 23日
メカニカルラブ
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引用元(上下写真):CAN YOU LOVE A ROBOT?
日本のロボット事情を紹介するドキュメンタリー「メカニカルラブ」(日本未公開)。大阪大学の石黒教授は自分自身に似せて作ったロボットを用い、人間の存在感を研究する。その研究の一環で石黒教授のお子さんとロボットを対峙させるのだが、お子さんは目を合わせるのをとても嫌がる。一方、あきらかに造り物のアザラシ型ロボットを、介護施設に住む高齢者は本当の動物のように愛着を感じる。しかも高齢者への癒し効果があり、実証実験からエビデンスも導きだしている。このコントラストをコンパクトなシーンを繋げて見せていくのだが、本物そっくりに作ろうとすればするほど不気味さが増し、逆に愛することができないというパラドックスが面白い。
「映像化困難だった物語をついに実現・・・」というのはよく聞くSFファンタジー映画の決め台詞だが、「百聞は一見にしかず」というように言語と映像には大きな隔たりがある。しかし人の想像力というのは情報量が少ないからこそ、豊かなイマジネーションをもたらす。小説家の中には、だからこそ表現手段として小説を選択するという方もいる。リアルに対する探究心は誰しも理解するところだが、全てのコンタクトにおいてそれに必然性があるとは思えない。
「Robocoarch」という授業で、ロボットの定義を簡単にディスカッションした後、1つの問題提起として見せられたのが「メカニカルラブ」だったのだが、アザラシ型ロボットはデンマークの高齢者施設に本格導入することが決定(2008年時点)しているという。アザラシ型ロボット、大阪大学の石黒教授とも日本で見た覚えはあるんだけど、デンマークとこういう繋がりがあるとは。
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by isoamu
| 2010-01-23 05:01
| デンマーク