介護施設の現場から諸々
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あるグループホームでは1日3回のトイレ洗浄。清掃後はエタノールで必ず消毒する。外出から戻って来たら必ず手洗いとうがい。デイケアセンターでは利用者の帰宅後、スタッフ総出で清掃と消毒。椅子の肘掛け部分など手を触れそうな箇所全てを消毒する。在宅介助で一日に複数訪問する場合は、携帯用の消毒スプレー、うがい薬が重宝するかもしれない。
「これほどまでに長く座っていられるものか」
認知症の利用者の中には、一日中ずーっと椅子に座っている方もいる。座っている体勢も全く変わらない(見た限りではそう感じる)介助する側としては、寝たきりにさせたくないから、なんとしても共有スペースに連れていき椅子に座らせる。以前、あるデザイナーが、高齢者こそ快適に座れる椅子が必要だといっていたが、まさしく。超高齢化社会こそ、いい椅子を。
「転倒防止には最善を尽くす」
掃除機を使う時は、電源コードが利用者に引っかからないように気をつける。高齢者が転倒をきっかけに寝たきりになるケースは多く、こうした配慮は介護の世界では常識。ワイヤレスの掃除機がいいのだがパワー不足。大きな施設を電源コードなしに掃除できるタイプはないものか。
「アクセサリーは厳禁(時計も)」
利用者を介助する時、体を接近させる。アクセサリーは利用者の服にひっかかり、時に利用者を傷つける。仕事だから致し方ないとも思うが、介助者自身がもっと華やげば現場も明るくなるのにと思う。突起がなく、しかも奇麗なアクセサリー、あっていいんじゃないかな。
「あの幼児っぽさは、高齢者のプライドを傷つけていないか?」
福祉施設はなぜああもステレオタイプな雰囲気なんだろう。大きな文字はいいが、あの保育園風の飾り付けは勘弁して(あげて)ほしい。それと極端な幼稚語。介護スタッフはそうでもないのだが、医者がヒドかった。「痛くないからね〜 チクッとするけど蚊が刺した程度のことだよ〜 大丈夫だよ〜 さあ注射打とうね〜 すぐ終わるよ〜」って高齢の方にいう物言いか。スタッフの制服も気になる。ステレオタイプな福祉っぽさもう勘弁してあげようよ。特にグループホームなどは家庭的な雰囲気を出す為にやっているんだから、スタッフが制服来ちゃいかんよ
「ヘルパーに対する苦情No.1は?」
「ごはんがまずい」とのことで。なかなか文句言わないんですよね、利用者は。支援して貰っているだけで十分だとして遠慮してしまう。バリアフリー改修でも、手すり位置を利用者に確認しても「ハイハイ それでいいです」と主張しないらしい。No.2は「入浴介助」だそうです。指の間などもうちょーっと洗って欲しい所をやってもらえない。風にように来て、風のように変えるというヘルパーもいるそうですが、忙しい現場ではなかなか難しい問題です。
「や〜っぱり安い給料」
時給1200円〜950円(某福祉事業社)コンビニ、ファーストフードよりは若干高いですが、生計が立てられるほどではないというのが一般的。舛添厚労省時代に介護従事者の待遇改善のため、福祉事業者に対して従業員1人あたり15、000円支給するとしていましたね。この不況期でも常に人手不足と言われていますが、デイケアセンターは人気で空きがないようですね(とある某福祉事業社のみのお話し)
「利用者とのゆったりとした時間」
ネガティブなことばかり書いていますが、「利用者の笑顔が忘れられない」「在宅介護は利用者とゆったりとして時間が過ごせるのが魅力」「人を助けることの喜び」「利用者から教えられることも多い」「地域との繋がりが嬉しい」など高い志をもって取り組んでいる方も多い。いろいろな面で報われて欲しい仕事です。