2009年 08月 29日
退社、そして独立
|
9月末に富士フイルム株式会社(デザインセンター所属)を退社することになりました。随分前から考えていたことに、ようやく踏み出せました。今の気持ちを残しておきたいと思います。
■ 取り組みたいテーマ
既知の通り、日本は超高齢化社会を迎えます。介護の負担、脆弱な社会保障など暗い話題に事欠きませんが、デザイン・建築で一助となりたいと考えています。インハウスデザイナーでも広義において社会貢献に繋がっていますが、よりデザイン・建築を活かすべき社会問題に特化したいと考えています。
ある高齢者施設の経営者から、介助用具のデザインに愕然とする高齢者が多いと伺ったことがあります。普段はちゃんとおしゃれをして外出しているが、こんな不恰好な歩行器を使っては出歩けない。紅を引くことをやめると途端に死期が早まると言いますが、高齢者こそ美しくあるべきなのです。最後の30分でも幸せを感じれば、人生全てが良かったと思える。人生の終盤こそ美しく、そして豊かであるべきなのです。
高齢者が施設に入居する時、本人に限らず家族にも大きな精神的心労があります。その際、施設環境が美しければ、ここならば、と心労も和らぐといいます。都内のマンションに住む高齢者が多いと聞きますが、本人自身の利便性(都心へのアクセス)に加え、家族の見舞いのしやすさもその選択の理由のひとつだといいます。高齢者の住環境は、本人だけでなく家族もユーザー。そしてそれらは利便性に加え、やはり美しくあるべきなのです。
こうした思いを胸に「高齢者の介助用具含めた住環境のデザイン・建築」を建築家である妻と協同して取り組んでいきます。
■ 現在取り組んでいること
介助用具のラフなアイデアを、ある高齢者マンションの経営者に共感頂き、いくつかの現場を訪問させて頂きました。これを起点に今後、協同メーカーを探し製品化を目指します。将来的には個々の製品化活動に留まらず複数の事業体が集まるコンソーシアムを創設するなど、業界全体で住環境改善に取り組むフレームを作りたいと考えています。
高齢化社会に対する取り組み以外に、より社会性あるデザイン活動を目指すプロジェクトを友人たちと進めています。まずはあるNPO法人の事業拡大にデザインがどう貢献できるか典型事例を作りたいと考えています。
今までのユニバーサルデザイン関連の知見の形式化として出版活動を行っています。「障がい者を起点にした新しい価値創造」の啓発を目的にしたもの、そして様々な特性の方への気配りをまとめたもの、計2冊を進めています。
私と妻、そして様々な特性の仲間達とデザインユニットを結成しました。現在はデザインコンペなどの応募を通じてスキル向上に努めています。
ユニバーサルデザイン・プレゼン手法などをテーマにした講演活動を行っています。”伝える”ということは、自分自身のノウハウの形式化でもあります。自分自身のメリットが大きく、お声がかかれば、どこにでも伺っています。また参加頂いた方との繋がりは、今となっては重要な人的ネットワークとなってきました。今年度からデザイン発想法をテーマに桑沢デザイン研究所の非常勤講師も勤めています。
■ 近々の予定
来年1月からデンマークに留学予定です。高齢者・障害者福祉はどうあるべきなのか、デンマークに限らず欧州全体をベンチマークしてきます。前述のコンソーシアムは日本国内に限らず、北欧のメーカーとの繋がりも構築していきたいと考えていますが、その基盤作りも目的の一つです。現地での活動は本ブログに掲載していきます。
退社と同時に今の借上げ社宅から引越しをせねばなりません。留学を予定していますので、次は仮の住まいとして、再来年には自宅兼事務所を建てたいと考えています。中古倉庫・工場をリノベーションし、広い空間を贅沢に使いたい。更には友人が気軽に集まれるカフェも併設したいなど夢は広がっています。
前向きに受け入れてくれた妻には感謝してもしきれません。本当にどうもありがとう。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
■ 取り組みたいテーマ
既知の通り、日本は超高齢化社会を迎えます。介護の負担、脆弱な社会保障など暗い話題に事欠きませんが、デザイン・建築で一助となりたいと考えています。インハウスデザイナーでも広義において社会貢献に繋がっていますが、よりデザイン・建築を活かすべき社会問題に特化したいと考えています。
ある高齢者施設の経営者から、介助用具のデザインに愕然とする高齢者が多いと伺ったことがあります。普段はちゃんとおしゃれをして外出しているが、こんな不恰好な歩行器を使っては出歩けない。紅を引くことをやめると途端に死期が早まると言いますが、高齢者こそ美しくあるべきなのです。最後の30分でも幸せを感じれば、人生全てが良かったと思える。人生の終盤こそ美しく、そして豊かであるべきなのです。
高齢者が施設に入居する時、本人に限らず家族にも大きな精神的心労があります。その際、施設環境が美しければ、ここならば、と心労も和らぐといいます。都内のマンションに住む高齢者が多いと聞きますが、本人自身の利便性(都心へのアクセス)に加え、家族の見舞いのしやすさもその選択の理由のひとつだといいます。高齢者の住環境は、本人だけでなく家族もユーザー。そしてそれらは利便性に加え、やはり美しくあるべきなのです。
こうした思いを胸に「高齢者の介助用具含めた住環境のデザイン・建築」を建築家である妻と協同して取り組んでいきます。
■ 現在取り組んでいること
介助用具のラフなアイデアを、ある高齢者マンションの経営者に共感頂き、いくつかの現場を訪問させて頂きました。これを起点に今後、協同メーカーを探し製品化を目指します。将来的には個々の製品化活動に留まらず複数の事業体が集まるコンソーシアムを創設するなど、業界全体で住環境改善に取り組むフレームを作りたいと考えています。
高齢化社会に対する取り組み以外に、より社会性あるデザイン活動を目指すプロジェクトを友人たちと進めています。まずはあるNPO法人の事業拡大にデザインがどう貢献できるか典型事例を作りたいと考えています。
今までのユニバーサルデザイン関連の知見の形式化として出版活動を行っています。「障がい者を起点にした新しい価値創造」の啓発を目的にしたもの、そして様々な特性の方への気配りをまとめたもの、計2冊を進めています。
私と妻、そして様々な特性の仲間達とデザインユニットを結成しました。現在はデザインコンペなどの応募を通じてスキル向上に努めています。
ユニバーサルデザイン・プレゼン手法などをテーマにした講演活動を行っています。”伝える”ということは、自分自身のノウハウの形式化でもあります。自分自身のメリットが大きく、お声がかかれば、どこにでも伺っています。また参加頂いた方との繋がりは、今となっては重要な人的ネットワークとなってきました。今年度からデザイン発想法をテーマに桑沢デザイン研究所の非常勤講師も勤めています。
■ 近々の予定
来年1月からデンマークに留学予定です。高齢者・障害者福祉はどうあるべきなのか、デンマークに限らず欧州全体をベンチマークしてきます。前述のコンソーシアムは日本国内に限らず、北欧のメーカーとの繋がりも構築していきたいと考えていますが、その基盤作りも目的の一つです。現地での活動は本ブログに掲載していきます。
退社と同時に今の借上げ社宅から引越しをせねばなりません。留学を予定していますので、次は仮の住まいとして、再来年には自宅兼事務所を建てたいと考えています。中古倉庫・工場をリノベーションし、広い空間を贅沢に使いたい。更には友人が気軽に集まれるカフェも併設したいなど夢は広がっています。
前向きに受け入れてくれた妻には感謝してもしきれません。本当にどうもありがとう。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
by isoamu
| 2009-08-29 22:13
| 他