最低限の社会保障
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高齢で体が不自由・定住もないとなれば職に就く事も難しかろう。200円の窃盗で衣食住が保障されるのであれば、ということのようだが、中にはようやく人間の扱いを受けたと感じる受刑者もいるのだという。
路上生活者に雇用機会提供を進めるBIG ISSUE日本のCOOである佐野さんは、抜け出せない負の連鎖があるといいう。そもそも職を探すにも履歴書に住所が書けない。その時点でほぼ不採用。日雇いという選択肢もあるが、体を壊せば金は入ってこない。本人の意欲だけでは解決できない構造がある。
先日お話した弁護士会会長は「最低限の社会保障は”住居”」だとおっしゃる。少なくとも住居が保障されれば、ゆっくりと体を休めることが出来る。路上では疲れがとれない、結果、体を蝕み職を得ようとする意欲が殺がれる。
国民全員に住居が保障されているデンマークには「高齢者住宅」というものがある。まだ若い50歳代から移住し、人生の最後までそこに住み続けるという。その住宅は当然バリアフリーで、且つ近隣エリアには介護インフラが整えられている。高齢者にとって住居を変えるのは相当な精神的負担のはず。特に体が不自由になり、介護が必要になってから住み慣れた家、街から離れるというのは、高齢者でなくとも寂しく不安なもののはずだ。であるならば、比較的元気なうちから、福祉インフラが整えられた住居に移住するというのは合理的にも思える。
また失業率が上がるそうだ。次の政権にはセーフティーネットの充実も期待したい。
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