ユニバーサルデザインの定義
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「すべての人を対象とする製品・サービスは、理想だが実現は限りなく不可能に近いとの意見が多く出された。ガイドが制定されると国際的に広く使っている言葉となるため、その後時間をかけ議論を重ねた。規格作成者、製品設計者に不可能と言われない言葉として、より多くの人への配慮を行うと行った意味でアクセシブルデザインを、英国、米国の代表が提案し、満場一致で採択に至った」
引用元:日本印刷学会誌Vol. 46 (2009)「ユニバーサルデザイン」を「アクセシブルデザイン」で
最有力案であった「ユニバーサルデザイン(以下UD)」の定義を改めて確認してみる。
Universal design is the design of products and environments to be usable by all people, to the greatest extent possible, without the need for adaptation or specialized design.
–Ron Mace
Via : ABOUT UD, The Center for Universal Design
"to the greatest extent possible" のように"all people"というのは努力目標であって最低条件ではないように思うが、これを改めて「アクセシブルデザイン」とするのは、UDに対する恣意的な解釈があるのではないか。
しかし、こうした類いの議論には辟易してしまう。ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン、デザインフォーオール、トランスジェネレイショナルデザイン、いずれも理念は同じで、実のところ問題意識もそう変わらない。これらは、その製品・サービスの有り様を問うものではなく、ありたい姿を共有するためのもの。そして、あとは皆でこのありたい姿に向かって進んでいけばいいではないか。
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