自分を知ってもらうこと
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「失語症」とは何不自由なく使っていた言葉が、急に外国語のように使えなくなる。あるいは、外国に行ったように感じられる症状をいう。
例えば、聴こえているのに意味が分からない。単語はわかるのに長い文は理解しにくい。言いたい言葉がでてこない。言おうと思っている言葉とは違う言葉を言ってしまう。読んで理解することが難しい(特に漢字よりも仮名がわからない)。書く文字が思い浮かばなかったり、書き誤ったりするなどがある。脳の言語中枢が損傷を受けることにより起きる症状だという。
対話する側の配慮としては、ゆっくり、はっきり話す。そして「何が飲みたいの?」ではなく「コーヒーが飲みたい?」「ジュースが飲みたい?」など、はい、いいえで応えられるように質問する。
社会的認知度が低く、周囲に分かりにくい。身体的な障害も大変な苦労を伴うが、こうした表に出てこない障害はなかなか社会進出が進まない。躁鬱など精神的な病気もまた、見た目は普通の人と変わらないゆえに、周囲からは「普通の人と同じように出来るのではないか?」と思われてしまう。自らの特性を周囲に知らせる必要がある。失語症サポートカード(上写真)は、そうした目的のものだ。
これは何も障がい者に関わらず、どのような場面でも必要なことではないだろうか。マタニティマークなども、こうした目的のものだ。自分を知らせることで適切にコミュニケーションするには、自分を知ってもらうこと。更には相手を知る努力が必要に思う。