「ダイバーシティ」 特性の活かし方
|

実践ダイバーシティマネジメント 何をめざし、何をすべきか
リクルートHCソリューショングループ / 英治出版
少子高齢化に伴う就業人口の減少を背景に、様々な企業が「ダイバーシティ」に取り組んでいます。「ダイバーシティ」とは「社員一人ひとりが持つさまざまな違いを受け入れ、多様性を活かすことで、企業・組織の力を高めていく」ということですが、現在は、子育てをする女性の雇用機会確保のための職場環境の整備(労働時間の短縮、託児所の設置など)が主な取り組みです。
また「ダイバーシティ」に取り組むメリットとして、消費者志向の多様化に伴い、多様な特性の社員による視点が商品企画において有効だとする経営戦略上のメリットも効果として挙げられていますが、“女性向けの製品は女性が考案したほうが得策”という短絡的かつ表層的な特性の活かし方しか議論されていません。
人の特性とは、性別などの人口動態的属性(年齢、性別、国籍、学歴)だけでなく、身体的属性(障害の有無)、心理的属性(組織観、職業観、性格上の特性、ライフスタイル)など様々な属性があります。真のダイバーシティの実現のためには、こうした多様な特性をどう活かすのかという具体論が必要です。