循環型デザイン
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サスティナビリティに対する問題意識から、昨今、江戸時代に注目する論旨が多いですね。江戸時代は鎖国政策による自給自足で、必然的に環境負担が少ない生活だったというのがその背景です。一方で、環境変化が直接的に生活に影響するため、頻繁に飢饉に襲われたといいます。先日、訪れたデザイン系大学の作品展に、環境負荷軽減のため”不便”な生活を推称する提案がありましたが、本当にそんな生活に戻れるのかどうか、自分に置き換えて考えれば、短絡的であることは自明。

人類を救う哲学
稲盛 和夫 / PHP研究所
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「江戸時代の循環型社会は、平和で自然破壊をしない、すばらしいものです。とはいえ、いま「そこへ帰れ」といっても、なかなかそうはなりません。そのあたりを、どのようにするか。江戸時代のいい点を学び、これを現代にどう移し変えていくかが、われわれの考えることでしょう」
引用元:人類を救う哲学 梅原猛、稲盛和夫著

欲しかったモノ
長町 美和子 / ラトルズ
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「オリジナルデザインを尊重しつつ、構造その他をリファインしていくというのは、家具デザイナーにとってはまたとない教材。写しというのは単なるコピーじゃなくて実はとても創造的な行為なんだよね」
引用元:欲しかったモノ
オリジナルであることがデザイナーにとっての生命線になっていますが、これも"対前年比”でしか企業の存続を考えない意識の弊害でしょうか。循環させるという点では、ナガオカケンメイさんの活動に非常に惹かれます。(郷里も隣市、同年代で手前勝手にシンパシーを感じている)
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