公益事業と私益事業
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かものはしは「カンボジアでの仕事の提供を目的としたコミュニティーファクトリー事業」「寄付金を確保するサポーター事業」「日本でWeb制作(コーディングに特化)を受注するIT事業」の3つの事業を有するが、その中でもIT事業が盤石の収益構造に大きく貢献している。
”公益事業”であるカンボジア支援(コミュニティーファクトリー事業)を、”私益事業”であるWeb制作が支えている格好だが、やはり公益事業だけでは活動の持続維持は難しい。しかし、公益事業と連携している私益事業だからこそ安定的に受注を得られているともいえる。かものはしにWeb制作を発注すること、それは発注側にとっては社会貢献活動の一つとして位置づけられる。発注側に実利益と社会貢献の一石二鳥の構図が生まれるわけだ。
次世代の消費動向を述べている「ソーシャル消費の時代」(上條典夫 著)には「諸々の消費を通じて、世界や未来とのつながりを感じ取ること。そして、その絆の先にある社会への思いを馳せる想像力を持つこと。来るべき時代が求めるのは、そんな消費者像だ。」とある。
機能性、価格、性能品質、そして感性品質など消費に対する価値は重層化が進むが、ここに社会性が積み上がる。”公益事業と私益事業”の組み合わせは、今後の消費動向の典型でもあり、公益事業をMissionとするNPO法人は参考とすべき事業構造ではないだろうか。